富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-23

六月廿三日(月)先週金曜にお会ひした写真家のBob Davis氏にお世辞なのは確かだが余の一連の写真を“an interesting view of life”と評されこそばゆい思ひ。晩にZ嬢と将軍澳坑口のLardos Steak Houseに食す。二度目。またも豪州はRosemount MudgeeのHill of GoldなるCab Sau 03年。今晩は豪州産のMB2+なる牛肉のテンダーロインは12ozで厚さ2 inchとアタシにはかなりの量。このMB2+なる牛肉、何かと思へば米国の穀物メジャーの一つ、カーギル社参加の牛肉生産「工場」産。いづれにせよ美味い。肉だけで満腹は幸せ。但し胃が驚くのは必至で帰宅して太田胃散。
▼右の尊子さんの四コマ漫画こちら
▼20世紀の中国報道で重要な位置にありしジャーナリストの陸鏗氏逝去。米国桑港に客死。享年89歳。戦時中から国共内線期に中国国際広播電台や南京の中央日報で記者。1949年4月に国民党下で逮捕拘束され50から75年にかけ中共政権下で22年の拘留。78年に来港後81年に雑誌「百姓」創刊。以来、中国政治報道積極的に続けるが85年に香港新華社社長の許家屯の仲介で当時の胡耀邦総書記に独占会見。この時の胡耀邦氏の談話が饒舌で鄧小平らの激怒を買ひ、これが後の失脚に繋がつたといふ見方もあり。90年には許家屯氏の米国移住(謂わば亡命)援助の廉で中国政府が入境拒絶措置(07年3月まで)。記者の言動が政治を動かした時代の最後の一人か。
▼今朝のSCMP紙のベタ記事“Cannabis smokers on a downer over Dutch tabacco ban”より。Bloomberg電の記事は
As of July 1, marijuana will be the only leaf that can be smoked in public places in the Netherands. Cannabis devotees are not celebrating.
といふ書き出し。可笑しい。ちよつとこれだけでは理解に能はず、なら
Pot smokers, who usually cut joints with tabacco, and owners of the "coffee shops" where they are allowed to light up will have to change their habits when the nation implements the indoor tabacco ban.
と。つまり阿蘭では公共場所での煙草喫煙禁止で煽りをくつたのがマリファナ愛好家ら。マリファナは依然として喫煙は合法だがマリファナ草を煙草に詰めて吸ふお手軽な「ジョイント」は公共場所では煙草として喫煙禁止、といふ話。日本は江戸時代に和蘭からあれだけたくさんの知識学んだはずが結局は科学知識だけ。少しは和蘭の爪の垢でも煎じて飲むべきか。それにしても興味深いのはこの記事。Bloombergの報道で、前提としてマリファナについての素養がないと「意味がわからない」こと(笑)。こんな短いセンテンスの中にキャナビスだのマリファナ、ポットと様々な「呼び名」が並び、勿論この他にもハシシだのグラス、ヘンプもさうだが、吸ひ方も知らぬいけない。といふわけで、その程度はBloombergにとつて、つまりBloombergのニュースを読むビジネスマンたちには当たり前の常識。それがわからないだけで世界の常識=日本の非常識なのかも。

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