富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-06

六月六日(金)大雨。晩に西湾河。太安樓の基記水電工程店で久々に牛什を立ち食ひ。食べ終はると牛什購ふ数人の客のなかに政府某署のD君見つけ声をかけるとD君こんな小汚い屋台での立ち食ひが気まづさう。こつちも食べ終はつたこと告げるとほツとした様子で暫し立ち話。Z嬢と待ち合はせPalki印度料理に食す。スタッフが格別愛想の良さ。電影資料館にてセルゲイ=エイゼンシュテインの映画『戦艦ポチョムキン』見る。言はずもがな1905年の第一次ロシア革命の20周年記念でポチョムキン号での反乱と市民蜂起、その弾圧を描いたソ連映画(1925年)。全編に流れるショスタコーヴィッチの音楽はオリジナルフィルム散逸で1976年にポジプリントによる復刻版。モンタージュ技術など後世に多大な影響与へた映画技術も凄いが革命がまだ活き活きとしてゐた時代を見せつけられた思ひ。
▼余が言論人として尊敬し続けた独逸ハンブルク在住の關愚謙氏の今年に入つてからのチベット問題に端を発した極端な言論については何度もこの日剰で紹介してきたが關氏の論調はます/\高揚。昨日の信報では、今年に入つての中国は春節前の雪害に始まり山東省の列車事故チベット動乱、世界各地での聖火リレー妨害と反華感高揚、そして四川地震と困難続き、それをまるで中国への天罰の如く言ふムキもあるが、と語り始め、1976年に周恩来逝去、鄧小平失脚、朱徳逝去あり唐山地震、で極めつけで毛沢東逝去に至つたが、見てみなさい、天は中国を見放さず四人組逮捕から中国の流れは変はつたでせう、と。關氏曰く2008年も後半は中国の歴史史上重大な折り返し点にならう、と、当然のやうに話はダライラマ批判に続くのだが關先生のはうがずつと観念的預言者。自分は中国人として中国の利益を尊重して当然ぢやないか、中国共産党の成熟、台湾との関係改善と好条件揃ひこれから中国は繁栄するのだ、と、いつたいどうしてしまつたのかしら。
▼華文言論界の長老・陳雲氏が健康考へ禁酒始め酒談義(昨日の信報)。中国の烈酒(ハードリカー)につき興味深し。中国は王朝時代から民初まで穀物生産劣る年は醸酒を禁じ民糧を保つたさうで、なにせ烈酒は茅台酒の場合、一斤の醸造穀物を五斤も要す由。だが中共で大躍進の数年、記録的飢餓が(人災だが)全土襲つたが茅台酒醸造は続き2、3千頓に達したといふ。陳雲氏曰く、中共の偉大なる発明は土製原子爆弾の他は五糧液の製造、と言ふが製造元五糧液集団の紹介では古来から、でよくわからず。

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