富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-06-01

六月朔日(日)曇。旧暦四月も晦日近し。朝から九龍石硤尾は南山邨団地の食肆「嘉湖」に予め注文の粽を受取りに赴く。団地の風情あり写真に撮る。すつかり舊い団地の取り壊され再開発続く石硤尾邨を抜け深水埗まで散策。小物屋が今どき「辨館」なんて名でまだ存在。軒先の煙草売場でパイプ煙草を扱ふ。昼に香港島に戻り約束の会合に顔を出す。午後遅く会合終はり金鐘道に出ると道路交通規制始まり六四のデモが通ることを知る。支援会を筆頭に民主党、政党前綫、国民党親派、梁國雄君らとデモは続くが今年は四川大地震被害者追悼もありデモも静か。北京中央の四川の被害地対策が積極的であつたことも影響したか、目立つた中央批判も失せ数百人規模。政党「前綫」が僅か数名でエミリー=ラウ代表の表情にも翳りあり。来年で早いもので天安門事件廿周年。香港レコード店にてアルゲリッチ女史のCD2枚購入。チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番(英国ロイヤルフィルで指揮は元亭主のデュトワ)とプロコフィエフのピアノ協奏曲3番(伯林をアバド指揮)で前者が1970年、後者が1967年と20代の彼女。もう一枚はショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲1番(トランペット奏者はセルゲイ=ナカリアコフ、アレクサンドラ=ヴェデルニコフの指揮でOrchestra della Svizzera Italiana)など06年のルガノ音楽祭の実況録音。前者は有名なLPだつたが後者は何かの音楽雑誌で高い評価だつた朧げな記憶での衝動買ひ。黄昏時に帰宅。無性にシャンペンが飲みたくなりDeutzのBrut Classicを冷蔵庫から出して空豆を茹でる。なぜか直感で「茹でた空豆とシャンペンは相性が良い」と思つたのだが、これが正解。空豆はシャンペンの味を壊さず、絶対に「シャンペンを飲む時にイチゴをオーダーする田舎者」よりずつとお洒落かも。空豆を頬張りDeutzのBrut Classicを飲みながらアルゲリッチショスタコーヴィッチのピアノ協奏曲1番を聴いて大満足。それにしても06年のライブ録音は、もうミキシングの極み(やりすぎ)。コンサートホールではあり得ぬ音の引き出しぶりが鳥渡、非現実的。さう言へば、今日の蘋果日報だつたかに張愛玲と向田邦子が似てゐる、と記事があつたがマルタ=アルゲリッチ中島みゆきも似てゐる鴨。日本ダービー録画で見る。ディープスカイの強さには驚いたが四位騎手が「今日の馬場はウチがかなり荒れてゐたので」とコメントしてゐたが、あれは騎手ぢやなくて馬がそれを読んでたね、騎手ぢやない(笑)。今朝は嘉湖の粽を買つて来たが今晩は恒例でまづは鏞記の粽(至尊燒鵝裹蒸粽)から。

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