富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-05-28

五月廿八日(水)早晩にFCCのラウンジで書類整理。そごふの旭屋で受領してきたカメラ雑誌二冊読む。最近、アサヒカメラに比べ日本カメラの方が(後者の編集部に知人がゐるから褒める訳ぢやないが)アタシのやうな古典派には圧倒的に面白いと思ふ。それにしても写真はカメラもさうだがフィルムの時代に比べデジタルになり雑誌もつまらなくなつた、と感じる。Z嬢来てナシゴレンを半分づつの夕食。市大会堂に赴きStephen Houghのピアノ独奏を聴く。メンデルスゾーンの「厳格」変奏曲(作品54)に続きベートーヴェンの第32番ハ短調Op.111と知的に攻めて来たStephen Houghさん。演奏はちと固い。後者はベートーヴェンの最後のソナタ、もつと悟つて昇天が欲しいところ。中入り後はウェーバーの舞踏への勧誘変ニ長調ショパンのワルツ作品64の2嬰ハ短調、華麗なる円舞曲変ニ長調とこのへんは普通のピアノリサイタルつぽかつたが、ここから一気にサンサーンスの呑気なワルツ、シャブリエの気まぐれなブーレ、ドビッシーのレントより遅く、でリストの忘れられたワルツから「無調のバガテル」とメフィストワルツ1番までノンストップ!で一気に「踊られた」。アンコールは中国風のダンス曲とカプースチン、Federico MompouのCançons i dansesの7番(なんて珍しい曲は会場でStephen Houghの弾く、このMompouのCDを買つて帰宅後聴いて知つたのだが)。それにしても後半のサンサーンスからシャブリエ、ドビッシーから殊にリストの2曲は圧巻。Stephen Houghは当世のとても重要なピアニストである、と実感。
▼中国の国民党と共産党を一言で定義すれば「国民党は悪筆」で「共産党は達筆」。共産党の達筆は毛沢東周恩来、鄧小平、江澤民と続き(例外は李鵬)昨日紹介の温家宝と名筆が続く。それに対して国民党。情けないくらゐ字が下手なのは畏れながら孫文に始まり(蒋介石は悪筆といふほどひどくないが)05年4月に歴史的大陸訪問果たした連戦さん(当時、党主席)の「中山美陵」の凄さは記憶に新しいが今回、大陸訪問の新任の党主席の呉伯雄さんも勝るとも劣らぬ拙筆ぶり。中国人といふと(台湾人も含むが)毛筆で達筆といふ印象ぢたひがステレオタイプなわけで何処にでも達筆と悪筆がゐて当然なのだが、やはり国を代表するやうな政治家たるもの、字が上手いに越したことはない。
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