富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-02-10

二月十日(日)寒さ続く曇天。朝七時半のバスで馬鞍山運動場(恒安)。九時より馬鞍山8kmのレースあり参加。キロ6分の予定がけつこういいペースで予定より2分早く46分でゴール。葉伯お元気で80分はキロ10分であるから時速6kmで早歩きぐらゐだが85歳である、敬服。O氏が年代別で3位入賞。表彰式用に、とオリジナルの法被まで、用意周到。O氏と車公廟に賽す。初三の昨日は入場制限で長蛇の列が大圍の鉄道站に到つた由。今日は賑やかだが歩けぬほどでなし。O氏と別れ香港文化博物館。畏友鄧達智君らの作品が並ぶ“Fashion Attitude – Hong Kong Fashion Design”なる戦後の香港ファッション史の展示見ようと寄つたが圧巻はもう一つの特別展「歌潮・汐韻−香港粵語流行曲的發展」。戦後の広東ポップスの集大成。許冠傑の『半斤八両』はアタシにとつての香港の原体験。梅艶芳、陳百強など懐かしい映像眺める。それにしても唖然とするほど「もう芸能界」なのは故・羅文の衣裳の数々。孔雀の羽のドレスなど美川憲一先生的な世界。港島に戻りバスでちやうど昼にQuarry Bay通りかかり、さういへば昨日、ラーメン屋「函館」が九日(土)まで連休と張り紙あり、今日は営業か、と立ち寄れば日曜で定休日。それなら十日(日)まで連休と貼り出すべき。向ひの泰國人海南鶏にて海南鶏飯食す。香港仔崇文街に本店ある此の食肆、あつといふ間にフランチャイズで十数店舗あり。ジムに一浴し帰宅。小一時間昼寝。洋琴手習ひ。Z嬢と早晩に西湾河の電影資料館。喜戲獻新春と題した正月の喜劇特集で映画『花月爭輝』(監督は黃堯、1969年)看る。主演は蕭芳芳に呂奇。富豪の息子(呂奇)と良家の才媛(蕭芳芳)のラブコメディ。蕭芳芳のまぁ綺麗なこと。蕭芳芳の妹役で薛家燕(蕭芳芳との年齢差では薛家燕のはうがずつと上だと思つてゐたが)、ここ半年ほど肝臓だか腎臓病み容体悪化の沈殿霞(肥姐)は呂奇の妹役で、その末妹役の子役が誰か、がアタシはわからなかつた(鍾叮噹、改め鍾麗裳)。踊つて歌つて、良家の豪邸の舞台セットだけで観衆が惚れ惚れと眺めた映画の楽しかつた時代。二記海鮮酒家に魚香茄子煲など食す。岡本綺堂『ランプの下にて』続き読む。父親が芝居好きで幼いうちに九代目(團十郎)の知遇を得、九代目の楽屋で福地桜痴に紹介され若干17歳で東京日日新聞で劇評書く……と綺堂らしい話が続く。

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