富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2008-01-11

一月十一日(金)郷里の母より書籍が小包で届く。吉田秀和全集、白水社の全十巻。フーコーコレージュ・ド・フランスの講義集成6巻『社会は防衛しなければならない』、文庫はバタイユの『エロティシズム』、熊楠の『浄のセクソロジー』、健次の『十九歳の地図』と『地の果て・至上の時』など。いつたいいつ読むのかしら。早晩に銅鑼湾銅鑼湾はいつもMTRなど降りると用足しの場所まで一直線で終はれば一目散。街歩きなどしたこともなく、たかだか4GBのSD買ふのに「あれ、ここに家電店があつたはず」ばかりで久々に「そごう」周辺を歩くハメとなり、多くの店がどんどん様変はりに驚く。デジカメも4GBの時代となると10MのJPEG画像が千枚以上内蔵されちまふ。銅鑼湾のHMWに寄る。T氏の急逝で何か胸が閊へる。昨日は美味い野菜らーめんが食したかつたのが今日は無性にストラヴィンスキの「春の祭典」が聴きたく。Evgeni Svetlanov(エフゲニー=スヴエトラーノフ)指揮のソヴィエト国立交響楽団の「春の祭典」と「ペトルーシュカ」のCD入手。再マスタリングでCD化の廉価盤で音源が果たしていつのものか不明。ロストロポーヴィッチハイドンのチェロ協奏曲(1、2番)も得る。晩に鵝頸橋の居酒屋・和居和居にバンコクY氏とZ嬢と飲む。なんだかいろんな焼酎があるが原籍は薩摩のY氏もやつぱり薩摩白波が美味い、と。御意。日本酒でいへば菊正宗、の世界。「いけないこと」と思ひつつ「生卵つきの鶏つくね」がタレも十分で、思はず「白飯ちやうだい」で即席のつくね丼。美味。爆満の人気。和居和居はどうしてもアタシは「わきよわきよ」に読めてしまふ。重箱読み湯桶読みよか嫌ひ。帰宅してロストロポーヴィッチハイドンを聴く。焼酎の酔ひもあつてかハイドンが心に染みわたる。
▼英国前首相ブレア君米系銀行のJPMorganに就職。年収50万ポンドで糊口凌ぐ由。香港教育統籌局局長アーサー王・李國章、実兄の李Baby國寶が頭取の東亜銀行の非執行董事に返り咲き給与は年収20万香港ドルと「低額」だが発行済み株式の1.24%保有し850万ドルの配当収入あり。ブッシュ米総統は離任間際で納税者一人あたりUS$500の還付決め多少なりとも自己宣伝。
▼倫敦でハッカサンなる中華料理屋隆盛と聞き及ぶ。店名のHakkasanは「客家人」で文字通り客家の、香港の新界は沙頭角出身の青年の起業。この肆ともう一軒、點心供す「丘記茶苑」(Yauatcha)の二軒を中東の投資会社が3,050万ポンドで買収。客家の郷村小子は一夜で億万長者。蘋果日報によれば92年に倫敦にてWagamamaなる日本料理屋開業を切掛けに飲食業。「客家人」はビルの駐車場改造し2001年に開業。高級路線の粤菜と一碗40ポンドの魚翅などがスノッブな倫敦人に好評博し中華料理屋で初めてミシュランに載つた由。04年開業の丘記茶苑も当て、まぁ「いい投資」。「バカ野郎、投資したくて人様に食ひ物お出ししてるんぢやねぇんだよ」と粋な親方の罵声が聞きたいところ。

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