富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-12-06

十二月六日(木)遅晩まで多忙。
▼信報にてかつての総編輯・練乙錚氏が主筆として復帰は三日日剰に綴つた通り。この突然の復帰、今日ふと思つたのだが、これは近い将来引退かと囁かれる社主・林行止氏の「専欄」の後任への配慮ぢやないか、と。信報の創始者・林行止氏(本名・林山木)は潮州澄海の人。60年代に明報にリサーチャーとして加はり60年代後半に渡英し経済学学び帰港後、同紙に戻り老闆查良鏞氏の信頼得て副編集長、明報夕刊の編集長となる。明報の経済面削減あり退社して信報財經新聞創刊。経済紙ながら正確な政治報道で明報の位置を奪ひ林行止氏の社説、論説は評判を得、「香江第一健筆」とまで称されるに到る。が林行止氏あつての信報。1940年生まれの林氏の引退、信報の売却(李嘉誠財閥が食し動し、現在は有力株主)など取沙汰されるなか、誰が林行止氏の健筆を襲ふか、と考へれば練乙錚氏の採用なら合点はいくところ。但しご本人以外、誰が「香江第一健筆」たらうか。
▼陳方安生議員、昨日立法会に議員として初登壇。陳議員の香港政府の民生政策についての質疑に対して答弁にたつた民生事務局局長・曾絀成が「佢仲話競選期間知道乜叫民間疾苦,原來除忽然民主之外,仲會有忽然民生」つまり「彼女(陳議員)は、突然「民主」と叫んだかと思へば、選挙期間中に巷の厳しさ知つたら今度は「突然、民生」か」と陳議員を揶揄。議会での政府の局長の発言に泛民主派は唖然。曾絀成は1967年の反英暴動で懲役二年実刑の左派英雄、で行政長官の自称政治家・文革曾(かつてSir Donaldと呼んでゐたが最近は「文革曾」と徒名される)に抜擢され民生事務局局長。土共左派はその革命家の議会での勇気ある発言に陳当選での溜飲下がる思ひか。心情的には反英・曾が植民地政府の旧高官たる陳方安生に一言ぶつけたい気持ちもわからぬでもないが、政府の民生事務局局長たる立場で議会での発言と思ふと議会制の場では許容されぬ暴言。故青島幸男君の首相佐藤栄作君に対する「財界の男芸者」発言と同じ(あの程度の発言で威勢を張つて見せるだけで終はつたが)。ちなみに曾絀成君は親中派御用政党民建聯の曾鈺成君の実弟。左派兄弟。

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