富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-07-30

七月卅日(月)風邪の諸症状甚し。シーツが濡れるほど汗をかき眠る。朝七時に起きて眩暈するなか荷物まとめてピン川の畔で朝食。宿をチェックアウトし荷物預け歩いてピン川とちょうど宿の対岸にあるバス停に歩く。八時半のLampang行きのオンボロバスに乗りLamphunを経由し1時間40分で国立のタイ象保護センター。一年半前に続き二度目の参観。芸達者な象のショウだの子象センター、象の病院など見ているうちにあっという間に昼過ぎ。チエンマイに戻るバスに乗ると間一髪でスコール。チエンマイの東バスターミナル着。食堂で麺を軽く食しトゥクトゥクで宿に戻り荷物ピックアップして市街のTamarind Villageに投宿。ここは前回、チエンマイ初めて訪れし時に「次は是非」と思った瀟洒な都市型リゾートホテル。夕方、部屋で広い風呂に一浴し寛ぐ。氏家幹人さんの『江戸奇人傳』読了。奇人は変人に非ず。この本は幕末の旗本、川路左衛門尉聖謨という奈良奉行から大阪奉行、勘定奉行に出世する幕府の官僚の日記に語られる川路家の痛快なまでに面白い人たち、それをこの几帳面な性格の旗本が驚異的な筆まめさをもって綴ったもの。奇人とは、荘子の言を借りれば、人間社会の中では変人扱いされるが実は天の理に叶った往き方をしている人のこと。日暮れにプールサイドで冷えたワインでも飲もうか、と思ったら今日は仏教の祝日でお酒は供しません、と。このホテルなかなか真面目。晩にプラシン寺院に賽す。プラシン寺院の近くにRachamankhaというホテルあり。ここも部屋数少なき都市型リゾート。ここの料理が美味いと耳にして、Tamarindに宿泊してRachamankhaに食事に行くのは、まるで京都で俵屋に泊まり柊屋に晩飯に行くようなものだがRachamankhaの偵察も兼ねて。でお食事は、というと一言でいって「美味くない」。奇を衒うばかりで味付けが「ない」。前菜、サラダ、主菜と頼み三皿を順番も関係なく供されるだけでも閉口。マネージャー不在で慣れない給仕が素人仕事。新派のレストランに「ありがち」な環境。これで評判とは! だがこのホテルは今晩も酒を供す。市街歩くと店先などで酒を飲む者(祝日だからか)普段より多し。サラダは食べたが前菜と主のビーフシチュー(という名の水牛の肉とトマトのスープ)は半分以上残してしまい(三皿ともいつものようにZ嬢とシェア)さすがにこれじゃ精神的にも「食べたりない」、と満月の朧ろ月愛でながらThe Wokに寄りカオソーイとバナナケーキ。レモングラスのジュース。宿に戻り氏家幹人『江戸死体考』読み始める。
参院選の結果。自民党がまさか40議席を下回るとは思いもせず。週刊現代だったか公明党が10議席も危ないと書いていたが、まさかそれも現実になろうとは。公明党支持者の中で「ただただ与党」で自民党に与するだけの党に三行半もありか。

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