富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-07-19

七月十九日(木)日本共産党宮本顕治元議長逝去。享年九十八歳。天寿全う。余が幼き頃より共産党の指導者であったが図書館で宮本百合子との獄中書簡を読み文人としての宮本顕治の存在に驚いた、それがいつだったか、高校の頃かしら。啄木の「ココアのひと匙」で
われは知るテロリストの かなしき心を……
を読んだ前後だけ記憶に残る。幼き余の身近には国文学者にして左翼のような人少なからず、であった昭和の時代。本日、諸事忙殺され晩に至る。帰途N氏とご一緒したが車がQuarry Bayの悪所近く通り抜け半ば軽口でハッピーアワーお誘いするとN氏も応じられEast Endに結局エールを3杯ずつ。N氏ご自宅に電話して奥様への「だいたい、すぐ帰る」の一言が妙に可笑し。「だいたい、すぐ帰る」は帰宅途中にちょいと一杯の、オヤジの非常に微妙な心理を言い得て、妙。N氏から河合隼雄氏逝去を聞き突然、心理学の話となり河合先生のユングでもなくフロイトでもなく岸田秀の『ものぐさ精神分析』に青春時代のノイローゼ気味の時に救われたことあり、という話するとN氏も『ものぐさ』の愛読者でその話から盛り上がり、あっという間に3パイント。帰宅してパスタ食す。
▼昨日読んだ信報月刊7月号掲載の柯小衛氏による 父・柯在鑠(中共の外交家、中英合同連絡委員会の中国側首席代表)追悼記より「ちょっといい話」一つ。1984年の中英合意で中国外交部の香港マカオ弁公室の代表となり英葡両政府相手に返還問題の談判に当たる柯在鑠氏。1988年というから柯氏60代前半か、中国から香港訪れた息子(柯小衛氏、も30代後半か40代であろう)を忙殺される仕事の合間に連れて出かけた先が海洋公園。香港らしい海と山のその娯楽施設を息子に楽しげに案内する中国政府の香港マカオ弁公室室長。許家屯氏もそうであるが89年天安門前の印象。柯小衛氏は香港の清潔さと社会的秩序に深刻な影響受けた由。
▼ダウジョーンズ株のインサイダー取引で李國寶君が米国当局からの提訴ありや、なしや。本人は当然、インサイダー情報提供は否定。だが本人がダウジョーンズの非執行役員で、香港の親しい財界人が1.5千万米ドル投資でダ社株41.5万株買い数週間の間にマードック君によるダ社買収発表されるとその財界人、ダ社株を2.3千万ドルで売却し800万ドルの売却益せしめているのだから、誰が見てもクロ。だが香港代表する財界人が米国で有罪判決で収監とはまるで思えぬが。それにしても李兄弟、弟は教育統籌局局長より事実上更迭され(辞任後は旅行中だかで香港ですっかり姿見せず)兄は兄でこの態。
▼外相麻生太郎君の選挙応援演説から。
自民党というといろいろ言われていますが、しょせん自民党だって人間がやっているんだから、完璧なことはないんですよ。奥さん、亭主を思い出してみて。まったく欠点がない、100点満点と本当に思っている人?いたらよほど運がいいか騙されているかどっちか。だから安倍晋三の欠点をあげればいくらだってあるよ。だけど良いところ見てもらえれば。9ヶ月で、小泉純一郎もできなかった教育基本法が通ったのよ。
……と。呆れて言葉もなし。

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