富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月十五日(日)連日の酷暑。海まで一途に走り木陰にてヘミングウェイ読みつつシュガーレスのフローズンダイキリでも飲めば心地よき日、常磐津の発表会あり朝から夕刻迄会場に詰める。一年ぶりに再会の社中の方々余を見るなり開口一番「痩せたねぇ」と驚かれる。胃を病んでと申せど当世「いかに痩せるか」だけに関心あり余に労りの言葉もなし。減量ブームの香港で胃潰瘍ダイエットで一旗揚げようか。夕方ジムに一浴し帰宅。更に仕事済ませ八時過ぎに至る。野菜とほんの少しの豚肉を鉄板に油もほとんど使わず焼きポン酢で食す。多忙続きロクに読書もせぬ日続く。
▼香港特区成立10年で最近報道媒体に積極的に語り始めたる香港マカオ弁公室前主任・魯平氏のテレビ取材に応じての発言、先週末の新聞に掲載あり。十年前に魯氏、中英合意「反古にせしめ」香港の政治民主化進めし末代総督パッテンを「千古罪人」と罵りたり。十年後の今日、魯氏、パッテン当時が所作所為その全てがパ氏個人発案の因素に非ず(当時の対中政策の一環に因る、の意)パ氏を頗る高明なる政治家、と賞讃す。魯氏続けて語るに当時すでにパ氏前任のウィルソン総督により1270億香港ドルの香港開発投資計画(?瑰園計劃)ありき。新空港建設など香港の将来に対するインフラ整備と言えば聞こえ良し。裏を返せば「中国には英国の在港資金は一銭も渡さぬ」の仕打ち。英国は中国政府にこの投資計画事前に一切説明もせず。魯氏憶述するに、当時、この巨額投資の融資銀行たるHSBCだのシティバンクよりこの大型インフラ投資につき「97年以降の特区政府に返済能力ありや?、担保は如何にせむ?」と問はれたる中国政府、投資内容、資金源など詳細知らぬままで担保保証どころの話でなし、であった、と。初代行政長官に董建華君選出についても魯氏語る。北京政府が董君推挙に暗躍は全くなし。董建華の得票率の高さに寧ろ魯氏も驚いた、と言う。董建華なる人については魯氏評するに「正直で責任感はあるが政治家としては力量不足」。御意。

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