富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

二月十七日(土)夜中に荷造り終えて三時前に寝て朝六時すぎ起床。中環からAirport Expressがほぼ満席、なんて98年の新空港開港から初めて。さすが旧正月の連休の初日(明日の日曜が元旦で今日の土曜が振替え休日)。空港のチェックインカウンターもかなりの混雑。CXのラウンジで簡単に朝食。ゲートが33であるのに「手前の」ラウンジに通されただけ朝から混雑、ということか。CX520便で一路、成田。Bloody Maryと赤葡萄酒一杯、ハンガリーデザートワイン。昼食供される間も座席の背を倒し熟睡の客がいて背後の席のオヤジが必要に「背を正せ」と抗議しても応じず呆れたが、このオヤジも二列も後ろの姪っ子と大声で会話が五月蝿く、結局みんな自分勝手。機中、椹木野衣著『戦争と万博』途中まで読む。1970年の大阪万博を通して、国策としての万博の意義、前衛芸術家の取り込み、満州からの経緯など読みごたえあり。磯崎新の建築論としても面白い。成田からバスで二時間で晩六時すぎには実家へ。バスの車窓から眺めれば午後四時半というのに早々と雨戸〆た家々が寒々しく見える。厳寒のなか家の灯は温かいはずだが雨戸という、本来は大雨から家を守るためのものが縁側の廊下を塞いでしまい家ぢたいが暗く見えてしまうのが日本の冬を寒々しく見せる。自宅で見たテレビの晩のニュースは「明日の東京マラソン」ばかり。フジテレビなど都庁で都知事に会おう!と芸人ら都庁に赴き石原都知事を前に「今回の東京マラソンを見守ってくれる石原都知事」と持ち上げる。フジ産経が都知事をよいしょするのも当然。芸人らなんら思考もなく石原ヨイショも宿命。それにしても都知事があそこまで憧れのスターの如く扱われなければならぬとは。見事なマグロの赤身、鮟鱇のとも酢など食す。「エンタの王様」見て晩遅くスーパー銭湯に浴す。すぎむらしんいち著の漫画『ディアスポリス 異邦警察』1巻読む。寒い。

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