富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2007-02-09

二月九日(金)曇のち晴。大潭を10kmほど走る。雲が絶えると強い陽光。冬とはとても思えず。赤柱の海岸。海がいつになく透き通る青さ。大西巨人の『迷宮』を読む。左翼としての思想的遍路もなく文学にとって論争のわかもわからぬ我とっては『迷宮』は正直言って面白みもわからず。大西巨人の記述も『神聖喜劇』の時はそれが一つとして削除できぬ重要の詳細に渡るものなれど、この作品では登場人物の肩書きや新幹線の何時発ひかり何号の指定席が何号車の何番であったか、だの実在しないレストランの名前だの、が推理小説の重要な手がかりになるわけでもなければ、これがいったい詳細まで明記されることで何の意味があるのか、実験小説と済ませられず、ちょっと読み進むに抵抗あり。一旦帰宅して早晩、北角。晩に天后の利休でS氏、仙台の頃から二十年来の知己となったU氏と会食。あと一週間ほどで閉業の利休は恐ろしいほどの盛況なり。

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