富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-11-25

十一月廿五日(土)朝七時頃に雨音で目覚める。朝寝貪りたきところ日本より大先輩方来港中にて喜寿の方が実に三十五年ぶりにご来港では歓待する側も嬉しきもの。Z嬢と尖沙咀東の宿に皆さまお迎えにあがりタクシーで尖沙咀。幸いに雨歇む。総勢十二名にて艇船一艘雇い船に遊ぶ。西九龍の埋立地眺めつつ佐敦フェリーの話、舊英海軍の軍港で今では九龍半島より地続きのStonecutters島に戦時の日本軍兵の遺骨収拾のこと、世界一の規模である香港コンテナターミナルを眺め青衣の島を巻いて汀九橋潜り青馬大橋の橋桁の如き馬湾の島に上がる。もう何年前かZ嬢と、青馬大橋が出来て馬湾の島に珀麗湾(Park Island)なるマンション群の工事始まる頃に一度この島訪れる。深井より渡し船あり。島の古くからの村は賑わうが島の反対側ではマンション群建設のため巨大な規模で地盤工事の最中。それから何年の年月か、本日、埠頭から上がれば集落にはわずか数軒に人が住まうのみで、過密に空家並び何れの家屋も政府による接収と管理下にあるという札かかる。廃墟マニアには垂涎の島の集落となる日も近い。此処にテーマパーク建設計画もある由。小高い丘に上がると美經援村(CARE Village)という何らかの財政的公共支援受けた小さな集落あり数世帯が住まう。嶺南様式の小学校舎版とでもいおうか芳園学校舊祉も近くまでマンションなどの造成進み、どうやら校舎自身の解体こそ免れた模様。人の住まぬ集落の大通り抜けて波止場に戻り再び乗船。ランタオ島の東南をぐるりと回り、此処もいずれの日か廃墟となるのであろうか香港鼠楽園を遠くから眺める。巨大なホテルと中国からの旅行者期待の合宿所の如き安ホテル、遠くに粗末なシンデレラ城。長州島に上る。海より波止場に向い右手に旅行者相手の海鮮料理屋並ぶが雇った船頭に「左のほうに行けば安い料理屋ある」と聞き北帝廟の方に歩き地元の客で賑わう料理屋に入る。お決まりで白灼蝦だの、浅蜊、烏賊、石班など食すが長州島にはまずおらぬであろう羊の南肉鍋が、これが実に美味。十品ほど注文し麦酒も数本飲んで十二人で八百ドル弱(一人千円)とかなり割安。中環の皇后埠頭(ここもあとわずかで廃止か)で今晩より湾仔に泊まる客人下ろし尖沙咀にて解散。Z嬢がスターフェリーでまだ中環側の新しい波止場迄渡ったことがない、と言うのでスターフェリーで中環。Z嬢もやはり「二度と乗るまい」の感。夕方遅く帰宅。ひやむぎを食す。昨日までの疲労感と眠気でほとんど何もできず今日の写真を編み辛うじて日剰綴るのみ。

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