富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-06-18

六月十八日(日)どうにか晴れ間見える程度の空にZ嬢とちょっと歩こうかという話となり遠出避けて、それなら、とずっと気になるは香港島南石澳の岬の高台に位置する石碑。地図ではObeliskとあるがまさか本当に花崗岩切り出しのオベリスクhttp://ja.wikipedia.org/wiki/オベリスク)がこの地にある筈がなく、何かの記事だかで戦争関係の石碑という朧げな記憶のみ。昨日も夕方にバスで大潭のダムよりこの石碑見上げては、ずっと機会逃して、と思ったところ。タクシーで自宅出ずれば運転手の背後になぜか東京無線タクシーの表示。それも都内の市内局番がまだ3桁って二十年くらい前だろうか。Shau Kei Wanからバスで石澳の岬の付け根。石澳での中秋の月見などいつもバスを降りるのが此処。石澳道の正直言ってキチガイなドライバーが暴走する狭い道を歩道もないところを1kmも歩くのは怖い。石澳道より石碑山(Obelisk Hill)の山道に入る。暫くすると標高164mに衛星放送関係の送信アンテナあり。大潭湾の向こうにRed Hillの高級住宅地。此処からの大潭の大潭篤ダムの眺めは絶景。ここまでは踏み固められた道らしきものあったが此処からは薮漕ぎ。こんな薮を想像しておらず枯れた羊歯で脛にかなり切り傷負う。かなり難儀して300mほど先の山中に位置するObelisk(石碑)に辿りつく。最近、ほとんど人の来た形跡もなし。当然、花崗岩どころぢゃない、レンガにコンクリート固めた粗削りな搭。搭の側面などかなり注意深く見てみるが一切、何の碑が記述もなし。日本軍が最後に石澳に英国軍(正しくは英国市民だが)を攻めた時に建てた石搭のような記憶もあったが和仁廉夫さんの本にもネット上にも、このオベリスクについて何ら記述も見つけられず。不思議なる搭。ここから引き返すもつまらぬので眼下の石澳の引水路(香港トレイルの第7段)までまた薮漕ぎで下る。今日は所属のランニングクラブで大帽山に滝めぐりの企画あり。それが難儀と避けた結果が更にこの強行とは……。引水路より地図上は点線があるが此処も最近は人の歩いた形跡もなき林の中を下り海に面した爛泥湾村に出る。村とはいっても二世帯?がかろうじて住む他は廃虚。湾に打ち寄せられたプラスチックのゴミ溜る。魚の養殖場あり番犬にかなり吠えられるなか蓮鶴仙観という道教の廟に向う。ちょうど法要あり導師と信者二十人ほど姿あり。此処に来るも難儀な場所ながら彼らは寺の小型ボートで訪れる由。海岸線に沿い東Y村、銀坑村を抜け土地湾まで歩こうかと思ったが岩場多く途中、完璧に海に入らねば渡れぬ箇所あり一眼デジカメ持参では危なくて断念。実はとんだ地図の見間違えで海沿いではなく少し高台に古道あり、それを見落とす。撤収ということになり、この村から古道をば引水路に上がり更に石澳道まで標高差120mほどだが猛暑猛々しく炎天下に眩暈ぎみ。石澳に海水浴客送るミニバスの復路の空車に乗りShau Kei Wan経由で帰宅。午睡。早晩に北角からフェリーで九龍城(というが正確には馬頭角)の埠頭に渡る。バスで九龍城市街。金蘭花泰国菜館に食す。この店も隣家に拡張し行列の出来る店と相成る。九龍城の飲食店の賑わい、父の日ということもあろうが、かなりの集客力あり。ホンハムに(マカオもだが)漁人波止場(Fisherman's Wharf)など設営しての閑古鳥啼く失敗に比べ、啓徳空港閉鎖で空港関係者だけの飲食だけでも失うことで死活問題と言われていた九龍城という喧騒甚だしき、交通も不便な下町の繁華街が、こうして繁盛する態。美味いものがあれば人は集まる、という劉健威氏が指摘する通り、でなんら胡散臭い装飾も広告代理店の企画した宣伝も要らず。金蘭花はそれなりに、で済ませ龍崗道筋向かいのイスラム料理屋・清真牛肉館に名物の牛肉包と牛南麺を食す。こここそかなりの行列。牛肉包や麺飯の類だけなら客の回転も早かろうが豚肉除けば普通の中華料理屋の如くメニューかなりあり、家族連れなどフルコースで至れり尽くせりのお皿並び(画像)混雑極まる。ハシゴの三件目は地茂館にて甘味。紅豆凉粉。食い過ぎかも。だが何処も此処も美味至極。何気に往来の路線バスで九龍塘か何処かに出ようと思ったが九龍はWaterloo Roadにて香港島へのバスが高架走りバス停見つからず小雨となり「それじゃ旺角か何処かに出て」と南昌行きの路線バスに乗り換えるが、これが太子(Prince Edward)をば高架で渡ってしまうバスで折から夕立ひどく大雨。結局そのままバスで東涌線の南昌まで行き地下鉄で中環経由で帰宅。九龍城より一時間半要す。W杯蹴球の日本&クロアチア戦をテレビ観戦。
MTRの路線図を眺めて思ったが、香港鼠楽園の失敗に続き空港の更に先に建設のAsia World-Expoの不人気(市街から遠すぎ)で更に来週だか正式開業のランタオ島は寶蓮寺(大仏)に向け吊るしたケーブルカー(昴平360)昨日の招待客相手の試乗でシステム障害か三時間だか宙吊りとなり予定された開業危ぶまれる。空港のドル箱となるはずのエアポートエクスプレスもけして成績芳しからずMTRにしてみればランタオ島は悉く風水悪しき場所なり。
▼先週金曜晩に羽仁さんらと深更に至り飲んだ名前知らずのバー。クレジットカードの控えで名前知ればBRSI/Lycaeusと云い経営者は故アニタ梅艷芳のマネージャーであったMarianne王敏慧と知る。

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