富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-06-02

六月初二(金)朝、ミニバスのなかで耳栓して聞いていたラジオから懐かしいロッド=スチュアートなんか流れていたら気がつくとバスがいっこうに動いていない。ミニバスを降りて歩いていくと通学バスの運転手席の扉が大型バスに接触しての事故。陰鬱な重い重い雲。午前中大雨で昼前から大雨警報は「赤」のなか香港歴史館にも参る。早晩に銅鑼湾旭屋書店。昨日は未入荷のアサヒカメラ6月号受領。ついでにふと、アスキー出版のMac Powerなる雑誌の6月号も衝動買い。iPodをB&Oなどのアナログアンティーク機たちにつなげてしまうand-upという会社のセンスがいい。この号では Groovisions in HK という香港のセンスよさ特集もあるのだが。日本でも人気のストリート系のMichael Lauなど香港のトレンドアーティスト紹介。S.K. Lauなる若手クリエーター紹介されていたが、この人がHK Art Centerの月報 Artlink (芸訊)のイメチェンの主犯とわかり不愉快。かつて香港で貴重なアート系情報誌が見た目だけアート系の雰囲気だけ、中身なしの雑誌に変身してしまったのだ。中環のHMVパスカル=ロジェの演奏でサティのピアノ曲集のCD購入。北京より昨日来港のDaZhao氏と待ち合せFCCにてギネスビール飲む。Z嬢も来て中環の?記酒家に食す。鼎談のなかで北京の人というのは北京を離れあまり旅行に行かないのではないか?という印象の話となる。日本の京都もしかり。せいぜい近郊への物見遊山で完結しているのではないか?という仮説。?記酒家、印象的には誰にとっても「マジっすか?」だろう。今晩もきちんと隣席に「この店以外にチョイスがない」という感じの邦人客あり。だが先日、斎藤さんと訪れて思わぬ再評価での再訪。やはりいい店だと今晩も納得。予約は給仕のY嬢に直接請うていたが夕方電話あり新鮮な鶏なので蒸し料理は如何か?と、あまり数がないので。晩8時に予約していたが10分前に電話あり来店は時間通りで大丈夫か?と尋ねられ、店につけば確かに立錐の余地なき待ち客あり。すでに席は用意されており見事なほどさっと席に案内される。紹興酒のお燗にMoet & Chandonのシャンペンクーラー用いて。蒸鶏、海月、野菜、揚げた海鼠と豆腐、炒飯で満腹。なのに果物、エッグタルトにお汁粉までサービスで供され、かなり満腹。隣席の若者二人、二人でまさかっ……の量の肉、肉、肉。で大量に食べ残し。思わず、巴士阿叔なら「貴様ら、外に出ろ!」だろう。FCCにさきほど忘れた雨用のジャケット受け取り帰宅。NHKでBSの Cool Japan という番組やっており眺める。
Cool Japan」というキーワードが世界中で飛び交っています。ファッションやアニメ、建築、料理など、私たちが当たり前と思ってきた日本の様々な文化が外国の人たちには格好いいモノとして受け入れられ、流行しているのです。「Cool Japan〜発掘!カッコイイ日本〜」は来日間もない外国人の感性をフルに活かして、クールな日本の文化を発掘その魅力と秘密を探ろうという番組です。
って、京都在住の建築家ジェフリー=ムーサス氏の日本家屋リフォームなど凄いのだが、結局、今回でいえば日本好きのガイジンらが日本家屋のスリッパや収納性、シャワートイレとかに感動して、日本人がそれを見て日常の生活に「日本って実はクール?」と感動し直す、という、なんか藤原センセイの『国家の品格』とある面では似てる、そこまでして日本を評価しないと楽しくない?な番組。見ていて大江健三郎の「あいまいな日本の私」みたいな感覚に陥る。
NHKより先日の「閣議決定」についてメールで返事あり。
ご指摘の通り、内閣法などには、閣議決定について、「内閣が変わっても引き継がれる最も重い決定」などの規定はなく、慣例によるものです。
視聴者に対して、閣議決定がどういう意味を持つものか、説明する必要があると考え、政府関係者や政党関係者の認識を取材した上で、実態に即して、「内閣が変わっても引き継がれる最も重い決定」という解説をつけました。
NHKとしては、「閣議決定」に限らず、その用語の解説や説明を行った方が、視聴者に対して、よりわかりやすくなるのではないかと考えられる場合には、
徹底した取材をもとに、出来るだけ丁寧に解説や説明を行うことにしています。 
また政権交代があった場合、また内閣の意志が変わった場合などについてご指摘がありました。確かに、閣議決定は重要な政府の意思・判断として、その後の内閣に引き継がれます。もし、状況や判断が変わった場合でも、過去の閣議決定は、最も重視されなくてはならず、その後の内閣も、過去の閣議決定に縛られます。
ただ、社会や政治、国際情勢が大きく変わったり、政権交代で、政府の政策が大きく変わるような場合には、新たな内閣が新たな閣議決定を行うことは可能です。
その場合でも、新たな閣議決定の内容が、過去の閣議決定の内容と異なるものになる場合には、法的な整合性と国民が納得できる説明を行う必要があります。国民がそれに納得出来ない場合には、次の総選挙などで、与党が敗北し、その内閣の総退陣などにつながることになりますので、そうした意味でも、閣議決定の事実上の変更は簡単ではありません。
……となんだか、説明になっているようないないような。「閣議決定は政府にとって重い決定であるのは決定の内容如何によって政権の存続にすら影響するから」ということ。「内閣が変わっても引き継がれる」というのは、例えば次期・安倍内閣(それが実現しないことを望むばかりだが)が自民党の歴代内閣として、小泉政権での判断を踏襲することや、村山談話をまぁそれだけはよくも自民党政権が継承するものだ、と、そういう意味で、引き継がれるもの(つまり引き継ぐことに、なにか錦の御旗的な価値がある場合)。けして「内閣が変わっても引き継がれる」と一言で簡単に説明してはいけない。
▼1989年の天安門事件で6月5日に北京東長安門を進む人民解放軍のタンクの縦列が一人の青年によって進軍遮られた光景は「六四経典」とすら言われるが、その青年はすでにこの世におらぬだの無期懲役だのと憶測されていたなか法輪功系の大紀元時報がこの「王維林」なる青年は湖南省長沙の馬王堆にて考古学の発掘調査に勤しむ学徒で、王維林なる名も発掘調査隊での呼び名。89年のあの事件で政府公安当局に拘束された、のではなく、その翌日、北京市民の協力で北京を離れ国内のあちこちを転々としながら匿わ、93年に香港を経て台湾に渡り台湾南部に住い、現在は台北故宮博物館の陶瓷骨董の顧問として文物鑑定に従事、と報道あり。同じ台湾在住でも吾爾開希など「吾爾開希のウエストのサイズは中国の民主運動進展のバロメーター」などと揶揄されるのに比べ、この故宮博物館での古物鑑定に従事とはあまりにストイックな話。
▼中国政府が国費で海外に派遣する留学生。1978年の門戸開放から95年までが留学生の帰国率は70%ほどであったものが、この10年は97%まで上昇。96年から05年に海外に遣った22,031のうち18,098人が帰国。440人については帰国の意志もなく国費での留学ゆゑ費用賠償、違約金なども考慮される。
▼「巴士阿叔」につきM君が「未解決!未解決! 未解決!!」のあと7秒後に「♪ タダイマヨリ ゴゴ*****ヲ****ス。 」の音声あり、と。携帯電話の着信音に日本語のこういったものダウンロードしての使用なのだろうか。またM君が「老母唔diu、diu邊個呀〜!」という言い回しについて、通常はFuck your mother! の「diu nei 老母!」が定句であるが、それを分解しての用法に目から鱗、と。確かに。O君もこのフレーズにあるリズム感が心地よいほど、と。「お前のかあちゃん〜」という意味では「老母唔diu、diu邊個呀〜!」は日本語なら「お前のかあちゃんがデベソでないなら、誰がデベソなんだよって!」という感じではないか?と。まさに。「やるならおまえの母ちゃんだ」というの社会通念。広東語ではFYM! はちょっと発音をかえて女の子でも平気で口にする罵り言葉であると思えば「オマエのかーちゃん出べそ」くらいの感じ、でほのぼのとしてさえいる。

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