富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2006-04-04

四月四日(火)民主党代表に小沢氏支持強まる。旧社会党系グループ小沢氏擁立に積極的とは二十年前の政局知る者は隔世の感あり。昨晩小泉三世荒川金嬢連れプッチーニのオペラ“Turandot”観賞(こちら)。お姫さまを得るか処刑されるかの一か八かの物語……小泉三世満喫であろう。本日も気温は摂氏28度くらいか。晴天で昨日よりかなり猛暑に感じる。もうスーツなど着れぬ夏。早晩に某お三方と打ち合せと称し改装中のFCCのバーにステラ三杯ずつ飲む。Color Six現像店にNikon F2で撮影のポジの写真出来受け取り。尖沙咀でZ嬢と待ち合せ「尖沙咀の」Jimmy's Kitchenに食す。ドライマティーニ。二人で「アボガドと蟹肉の前菜」と「菠薐草のパイ」半分っこ。年老いてこれで充分。生姜プティングと珈琲。香港文化中心。Evgeny Kissin君のピアノ独奏会。神童と八十年代に日本で大評判のキーシン君も三十五歳。ベートーヴェンピアノソナタ3番と26番、休憩挟んでショパンのScherzoの1〜4番。正直言って我は「コンサートで聞きたい」という演目に非ず。だがキーシンであるから、というZ嬢の期待。さすがパパイア鈴木、否、キーシン君であるから「まいう〜」とため息の出る演奏。ベートーヴェンも3番はやはりコンサートの初っぱなには似合わないと思うのだが26番は「はぁ……」と聞き惚れScherzoも2、3番がお見事。技巧は我の如き素人が評す言葉もないが文化中心のコンサートホールでここまで音が響くかと驚くばかり。アンコールも2曲目のショパンエチュード、リスト?であろう3曲目でようやくキーシン君の顔に笑顔が漏れ始め「さぁ、これから」で4曲目はショパンマズルカ(だと思う)。だが香港の客は2時間半のリサイタルで「まさかこれから」とは思わずアンコール4曲でお開き。三十代のとにかく働き盛りの演奏をば堪能。キーシンはこれから春の日本巡業の始まり。
▼東京で「春樹を巡る冒険」と題した国際シンポジウム開催された由。人間の中の迷宮、難民、無国籍性など村上春樹めぐり。柴田元幸氏が冒頭で「単なるファンの集いではないが村上さんの小説を愛する者が多い。一読者としてチェコのフランツ=カフカ賞の受賞をお祝いしたい」と挨拶すると五百人の参加者から盛大な拍手、と(朝日)なんか「思いっきり」だが四方田犬彦氏も「初期を除くと村上氏は自作の映像化を拒絶している」にもかかわらず映像界の村上ワールド的なイメージは「香港映画などに表れている」と言う。王家衛などなのだろうか。よくわからぬ。