富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-12-04

十二月四日(日)ホテルの朝食は午前三時半から始まったわけで階上にはケニア選手団でもいたのか三時すぎから何かと物音。朝五時起床。六時前から朝食済ませマカオ競技場に六時半過ぎに到着。ランニングクラブの面々と合流。気温は摂氏15度になるはずが18度くらいだろうか、但し風が強く沿岸からPonte de Amizade(友誼大橋)の往復路が思いやられる。午前七時出発。競技場出たところでいきなり5kmのミニマラソンは左、フルとハーフは右に別れるのだが係員による注意喚起もなく前方に小さな看板だけでかなりの5kmのランナーがフルとハーフの人に紛れコース間違える。中にはこの距離のかなり精鋭選手も少なからず不憫。四年前だったか今年とはコースも多少違うが我が1時間52分というベスト記録出したマカオも出だしからキロ7分と最近のかなりゆっくりペース。やはり強風のなか沿岸から大橋渡る。それにしても自動車の交通量多く而も精製の悪いガソリンとエンジンの調整不良か一車線分のランニングコースの横を自動車が、それもマラソンの実施で渋滞して並んでいるから排気ガス蔓延。しかもあちこちの埋立や工事現場からは砂埃だの煤塵が強風に煽られ舞っており、これもかなりひどい。日曜日とはいえタイパ島の埋立工事など休みなく続いているわけで、ちょっと来年もこの調子なら参加見合わせようか、と真剣に考えたくなるほどランニングの環境としては劣悪。大橋からマカオ本土?に渡ると朝の八時すぎからカジノに大陸からの旅行者が吸い込まれてゆくのを眺める。彼らは彼らで「朝からよく走るわ」という目でランナー群を眺めている。マカオ空港近くは砂塵の中で目がまわるほど。自分の時計では2時間8分台でゴール。ぎりぎりフルマラソンの優勝者に抜かれたかった、という次第。競技場近くでZ嬢が最後の応援をしておりフルの35kmくらいにあたるのだろうかO君が2時間半ほどで通り過ぎるのを応援してホテルに戻る。9時40分で20分後に出るシャトルバスに乗るのに慌ててシャワー済ませ荷造りしてエクスプレスチェックアウトでシャトルバスに飛び乗りフェリー波止場。荷物をコインロッカーに預け、とにかく足の按摩、と市街に出るが波止場近くの大班サウナが「まだ」普通で、それ以外は24時間営業で朝の十時すぎから開いているのは何処も「足が痛いので揉んでほしい」とでも言おうものなら「はぁ?」みたいな、看板も潤んだ目で口をだらしなく開けている艶っぽい按摩女郎の写真や絵が看板のサウナばかり。歩いていてマカオの1999年の祖国復帰記念する記念モニュメントの広場に出くわす。ここも香港の湾仔と同じく金色の記念塔が建立され大陸からの観光客が楽しそうに記念写真撮影に余念がない。祖国復帰の象徴であり大陸からのツアーは香港でもマカオでもここに連れて来られるのだろうが、連れてこられた方もまんざらではなく嬉しそう。だが香港もマカオもこの記念碑の場所に地元民が誰も行こうとすら思わぬのが好対照で可笑しい。純粋な足のツボ按摩など午後からしか開かないようで結局、リスボアホテルまで歩いて来てしまう。ホテルの周辺の路地もホテルの地階のアーケードも朝からかなりの娼婦が客引き。リスボアにもそりゃサウナはあるがリスボアの迷路のような建物でカジノ目指して迷路を進み間違ってカジノの中に入ってしまう。実はカジノに入ったのは初めてかも知れない。モンテカルロじゃないのだから殺伐とした場末の賭場の雰囲気はこういうものかと実感。サウナはリスボアらしい黒の大理石に金だの銀だのの文様で確かに豪華。徹夜で遊んで朦朧としたような賭場常連のオジサンたちが休憩、といった感。ちょっとゴリエ似の四川省出身という按摩女郎に一時間余徹底的に足を指圧される。四年前に四川省から出てきた、というがぜったいにけして上手ではない広東語で通そうとする。広東語は彼女にとって故郷とマカオの自分の分別のコードなのかしら。普段なら「推油」でねちねちと按摩しながら「先生、小費給我多少銭?」などとやっていればいいのに足の筋肉の硬直を解すのにかなり疲れる様子。走るとこんなに足の筋肉が硬直するものか、と驚かれるがそりゃ日ごろから走っていればそうはならない。昼過ぎHyatt Regency Hotelに向かう。ランニングクラブの面々と合流してホテルの「フラミンゴ」レストランにて昼食会。サングリアをかなり飲み、いい気分。香港を今晩のフライトで上海に出張するT君や、上海経由で蘇州に帰るI君、東莞へ帰るのに寶安行きのフェリーに乗るO氏(今日はずっとO氏と同じペースで走る)と三々五々レストランを後にする。プールサイドの屋外の廊下に面したソファで暫し寛ぐ。マカオだとパイプ煙草の香りがじつに心地よい。ホテルのシャトルバスで市街。Z嬢がいつもの超級市場Pavilionでオリーブ油など食材調達に付き合い余はパイプ煙草を二包購う。タクシーでフェリー波止場。午後4時45分のフェリーで一路香港。香港は本日午後三時より普選要求の市民デモあり。沿岸の道路も多少の混雑見られる。帰宅してすぐにテレビニュース見ると主催者発表は25万人で警察側は午後3時すぎで4万人とする。「香港の良心」と賞される01年に政務長官退任のアンソン陳方安生女史のデモ参加。大河ドラマ義経」の奥州平泉での話を見る。奥州平泉は小学三年の時に従兄弟のS兄の家族旅行に連れて行ってもらって以来だがドラマのナレーションや話の筋で「京にも勝るとも劣らぬ」としているが史実本当にそれほどの規模だっただろうか。形容としての「北の京」程度ならわかるのだが。ざるうどん少し食す。新聞数紙読む。さすがに眠い。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/