富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-11-02

農暦十月朔日。早晩にFCCで溜まった新聞読み。新聞はその日に目を通す順番(読み終わる、ではない)で言うと朝日、IHT、蘋果、SCMP、信報の5紙(それに読売はときどき目を通す)であったが「つまらないのを承知で」明報も仕事上読むようになる。新聞の購読量では従兄のS兄に昔から驚いていたが当然かなりの時間を要す。自宅で読みきれる筈もなく持ち歩くが香港の新聞の場合それぞれかなりの厚さあるので重い。数キロになる。とにかく熟読要らぬ紙面をさっと目を通して捨てることから始まる。折り畳むと10cmくらい。当然、その日に読み終わらぬ、熟読要す紙面だけ切り取り(そのために切り裂き魔じゃないが簡易カッターは必携)持ち歩きFCCなどで読んで必要なら残すしメモをとるし要らぬのなら捨てていくことになる。ハイボール二杯。尖沙咀にフェリーで渡りMarco Polo HK Hotelで開催されているGerman Bierfestにて大いに麦酒を飲む。ランニングクラブで声をかけると12名ほどが参加。麦酒はLowenbrauだけで個人的には余り好まぬがいったい何杯飲んだのか定かでなし。客の多くが飲んで歌って踊って、の世界。 http://www.gbfhk.com/
▼築地のH君より。国連総会がポーランドアウシュビッツ強制収容所解放の1月27日を大戦中のユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の「国際追悼デー」にする決議案を採択。 採択後に中国が「60年前、アジアの人々も筆舌しがたい苦しみを受けた」「1937年の南京大虐殺で30万人が死亡した」として「ユダヤ人と同じようにアジアもこの歴史の一章を決して忘れない」と発言。日本の国連大使は「歴史を議論する際には、特に数字についての共通の理解を持つことが建設的だ」と発言。「歴史の事実を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを常に心に刻んでいる」と述べた、と言う。国内では「南京虐殺はなかった」説もかなり流布されるが、さすがに国連の場ではそうもいかず。内では黙るが外で我が国の大使が発言するのだから、これが政府見解のはず。「どうして毅然として反論しないのだ!」くらいならマダしも「なぜ、幻であることが実証済みの南京虐殺などが持ち出されるのだ!」と主張する国民も少なくないかも。いずれにせよ中国政府としては最も効果的なやり方。これまでなら日本の面子を立て、ここまで恥はかかせず。あくまでの対日の動き。それが小泉首相のおかげで国連でも過去の反省につき言明せねばならぬとは。
▼もう一つ築地のH君より。パレスチナで映画をとったイスラエル人の俳優が来日。映画の上映のあと森達也と対談。森達也氏がもう夢も希望もどこにもないと皮相的な態度で嘆息とともに発言を〆るとイスラエル人は苦笑しつつも「希望に対してシニカルになる権利は我々にはありません」と引き取ったそうな。希望に対してシニカルになる権利は我々にはない。

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