富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2005-09-25

九月廿五日(日)霪雨。朝寝貪る。昼にバスで旺角。何が用事あるでもなく雨空を漫 歩。楽園牛丸大王に牛南麺食す。旺角では此処ばかり。店員が 粗野な中年男ばかりであつたのがお揃いのエプロンの女性ばかりに。男衆は何処に掃いて捨てられたのか。野営系運動具店何軒か覗く。山歩きの小物購入。ミニ バスでホンハム。赤ミニもオ クトパスカード使用可。ジム。一時間筋力、もう一時間有酸素運動。暴雨。昏時フェリーで中環。雨を避けビルからビルへ空中回廊抜け通り抜けやうと The Landmarkに新装開店のHarvey Nichols百貨店に入ると見慣れし青色が目立つSmythsonの文具売場あり。香 港ではLane Crawfordだの英文書店が時々Smythsonの手帳など年末だけ扱ふが長続きせず愛用者はメールオーダーに頼る。パナマ型の手帳など見ているとお 隣にW女史のお姿。ご挨拶。まぁお元気?、香港にSmythsonが出来るとはねぇ。でも今はもうこういう手帳とかきちんと使う人も減ったんでしょうよ、 とW女史矍鑠。W女史でもHarvey Nicholsは今日が始めてだそうで「こんな天気が悪いと空いていてお買い物は樂よね」とW女史ともなると何事もプラス思考と敬服。FCCでフィリピン 産のサンミゲル一瓶とハイボール一杯。帰宅してNHK大河ドラマ義経」見る。今頃になり岩波『世界』7月号など読む。佐藤優の連載「民族の罠」の面白 さ。佐藤優氏は宗男議員絡みで現在は起訴休職外務事務官。現在もまだ連載中。必読。第一回の連載から書き抜きせば
日本が包囲されているという自己意識は「日本人が正当な主張をして いるのに、その言説に周辺諸国が耳を傾けないのは不当だ」という被害者感情につながりやすい。ナショナリズムが強化されるときは、必ず「他者によってわれ われが不当な取扱いを受けている」という「負の感情」による連帯が生じる。特に高度に発展した産業国家、平たい言葉で言うと国力の強い国家で「負の感情」 による連帯を基礎にするナショナリズムが感情的になると、それは「われわれ」以外の人々を積極的に排除する排外主義的ナショナリズムショービニズム)に 転化する。(略)日本では、社会は世俗化、個人主義化しているにもかかわらず、対北朝鮮関係、対中国関係を巡ってはある種の集団的被害者感情が存在する。
まさに今の日本で最も恐いのが、この「負の感情」による連帯。具体的に何もわかつておらぬがマスコミを通してモニタに映る中国とか見てると「むかつく」の がそれ。で実は社会的弱者であるが、それを認めたくないから、敵が必要となる。だが自分は太刀打ちできぬから強く見える政治家、石原や安倍が誇らしく思え る(実は彼らもその弱い自我の一員なのだが)といふ構造。
▼ESF(English Schools Foundation)のClearwater Bay Schoolが香港鼠楽園への「課外授業」実施計画し保護者からも「教育目的があるのか?」と疑問の声。Marian Eastwoodといふ校長は“People are entitled not to let their children go, but they're not entitled to try to stop the majority going”と強気の姿勢。乱脈経営で政府援助削減されれば経営破綻必至のESFは教員の厚遇もリストラの対象となり一律給与1割削減打出し教員側は反発 し時限ストも辞さぬ構え。海外から招聘の場合、6年教員経験があると手当だの込みで年収HK$150万となり豪州で1500人規模の学校で30年教育経験 のある校長の2倍で英国のイートン校などの校長よりも高給とか。植民地ゆへの享楽ももはや限界。
▼朝日一面トップに「海自薬物汚染」とあり我が国の海上自衛隊の戦艦が薬物で汚染されたのか?、テロの仕業か?と思えば、たかだか大麻合成麻薬の使用で 6名の逮捕。「潜水艦隊の乗組員に薬物が広まっている」で「汚染」。「県警は、隊員らはいずれも潜水艦に乗り組む合間に陸上で薬物を使用していたとみてい る」って当たり前。潜水中に一服は能わず。海自も「武器を扱う集団が薬物に汚染されていることは危険」とコメントしているが、一服して潜水したら海の中は さぞや美しいことであらう。お魚さんたちと会話できたり。で武器を所持していてもて大麻なら抗戦意欲もなくなるから、実は安全。シャブは困るが自衛隊員の 大麻は平和への第一歩。シャブといへば民主党のシャブ議員がいたが国会議員など国会で居眠りしている姿を見れば覚醒剤でもキメて大いに論戦を張つてもらい たいところ。
▼飯沼二郎・京大名誉教授逝去。享年87歳。農業経済学者で人権・平和運動に取り組み87年の君が代訴訟の原告代表。これからかういふ人が国立大学の教授 などなれぬ時代か。
▼中国の田舎政府の小役人らのバカさ加減は今更驚かぬが給与は上がらず贈収賄は極刑で、で何に走るかといふと公費乱用。田舎政府の建物の豪華さ(成金趣味 でとても下品であるが)。全国で小役人どもの「公用車」購入が全国で年間3000億元、とくに最近のお気に入りはランドクルーザートヨタが大人気(こち ら)。価格は中国で70〜80万人民元で高税もあるが日本円では1000万円超える。政府国務院規定に照らせば部長(大臣)級の公用車基準価格の二倍以 上。中央ではそうだが地方は地方の裁量。中央集権のようで、この実際の地方自治(笑)。かつてはベンツや黒塗りがお好きだつたが黒塗り=仕事せぬ接待オヤ ジ、の印象強くクルーザーであれば、いかにも「道路も整備されておらぬ山奥まで人民の生活水準向上のためお仕事」っぽい。実際に一雨で水の溢れる市街もク ルーザーなら市政府の潅漑整備の遅れも気にせず走れるし週末の家族でのお出かけにも便利。広州南沙にトヨタ自動車の大型工場建設されたが中国で公用車の占 める割合はかなり大きいはず。その地方政府の豪奢ぶりのかげで義務教育での本来無償のはずが教科書代など「雑費」高騰続き全国で失学児童が2000万人。 北京では小学入学で991元の雑費に保護者が義務教育法に基づき教育無償を提訴するが雑費は政府の管轄外として取り合われず。雑費払えぬだけで授業を受け ることも能わず教室での授業を入り口から覗き込み授業受ける少女の姿。世の中、この極端な拝金主義。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/