富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月卅日(土)薄曇。朝寝貪りと言いつゝ八時には起きる。週末土曜の雑用済ませ昼までヴィクトリア公園の遊泳池に小一時間泳ぐ。昼にFortress HillのK氏営む手打烏冬屋(これが店の名)に食す。見事なコシの手打ちうどんできつね食す。K氏この店始められもう四年か五年か。土曜の昼も忙しくご挨拶もせず。午後空港にて離着陸機の旅客オペレーションする台湾出身のP君とFCCにて珈琲。昨日昼に食した自家製カレーの豚肉に細骨あり歯茎をばその骨で刺したのか黴菌入ったらしく歯茎化膿し中環ヴィクトリアファーマシーに塗り薬購い歯茎痛み激しく店出るなり戯院里の路上で歯茎に薬塗。ジムで一時間有酸素運動。Z嬢に電話すると中環のオリンピアグレコ珈琲豆店に参つたとの事でFCCに待ち合わせ。ステラ麦酒1パイント、フェイマスグースのハイボール二杯。プリンスビルヂングのオリヴァースに葡萄酒、乾酪など購ふ。帰宅。晩は白シチューにパスタ。新西蘭の白葡萄酒オイスターベイ飲む。NHK大河ドラマ義経』第十五回と十六回録画で観る。次回十七回が最高潮なのだろうが弁慶をそこまで道化師役にする必要があるのかどうか。この役のための昨年末のマツケンサンバのブームづくりだったのだろうが。噂には聞いていたが平幹二朗夏木マリの妖怪的演技の凄さ。ベトナムサイゴン陥落卅周年。卅周年記念行事の行進に参加のベトナム軍兵士の若者が見事な英語でインタビューに答えている。サイゴン陥落の翌朝、毎朝通学が厭で神経性の腹痛と下痢モードの余に母が「この日は歴史でとても大切な日だから覚えておきなさい」と言つたこと思い出す。確かNHKの朝のニュース番組で司会は井川アナウンサー。晩に母に電話でこのこと話すと母は覚えていない、と。あれから卅年。当時、戦争が終わったらしいこと以外、それが北ベトナム共産軍による南越占拠だとよく理解できず。本来であれば「戦争は終わった」で母の気持ちもこれから平和になるべきであつた筈。二ヶ月遅れで『芸術新潮』三月号特集はラ・トゥールの号読む。
▼日本は黄金連休で海外旅行盛りながら中国と香港は反日騒ぎで観光客減。中国国家旅遊局の局長が「中国旅行は安全」と公言するが客足退いた後で既に遅し。北京公安当局も四月九日の反日デモは不法と今になって公言。人民はただ愚弄されるばかりなり。文革の悲劇と同様。香港は日本からの旅行者三割減だとかで日航は旅客確保のため香港から日本への旅客確保策に転じ東京でのホテル二泊込みで三千四百ドル(約五万円)の格安旅行発売とか。陶傑氏蘋果日報の連載随筆にて「日貨不買」どころか東京への買い物ツアーに喜ぶ様を嗤ふ。
▼信報社説にて「中国」国民党連戦党首の「中国」訪問を歴史的出来事ながら既に台湾にて国民党は時期総統選挙は馬英九君が候補略ぼ確実で連戦君にとってはすでに引退に向けての有終の美を飾るばかりの事実を指摘。連戦君、本来であれば国民党李登輝総統を襲い時期総統確実の筈がまさかの李登輝君の当時の事実上の亜扁支持で下野し台湾民衆の支持得られず野党党首に甘んじる。今回の訪中も父が国民党軍将校といふ外省人がため台湾土着の民衆からは台北蒋介石空港にて中国への片道切符の航空券示され今日の西安での兵馬桶訪問も台湾ではきっと「そのまま兵馬に始皇帝の軍人塑像とともに埋ってしまへ」と揶揄されているのだろうか。

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