富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月十六日(土)薄曇。敢えて保守反動フジテレビの朝番を見る。北京在住の日本人に電話で北京の様子は如何ですか?、何か不穏な動きはありますか?、日本人が不安感を覚えるようなことは?と猜疑ばかり。いったい何が問題なのか、どう解決できるのか、といふ視点も発想もなし。日本はアジアでどう思われているのか?といふ特集もあるが台湾、シンガポール、タイで取材していかに日本に親しみがあるか、いかに日本製品が生活に浸透しているか、の列挙で、最終的には韓国と中国の反日感情が民族性もあるのでしょうが異常、と映す。シンガポールの商業施設のフードコート写し「ほら、こんなに日本食が」とお好み焼きやタコ焼きまで紹介するが北京でも上海でも同じ光景がありタイでバイクの98%が日本製です!と驚いて見せるが世界中日本製バイクは当たり前。偏向報道もここまでいくと見事。父の四十九日で七七日供養。法要始まるを待つ「普明」と名付けられた奥座敷に春水の画があり母の話では祖父が先代の住職に寄贈したものだと聞く。納骨。午後に三業地の裡新願寺町にある中川楼にて供養に参列いただいた親戚と父の親友ら招き会食。中川楼は市内に江戸後期から続く鰻供す料亭。横山大観小川芋銭船橋聖一といった文人らがこの店の常連。店の史料に当時のこと綴る文章あり当時は旧制高校生が料亭の座敷で飲んでいた時代。ただし学生はお銚子二合までだった、と。三十五年も前の祖父の逝去での忌中祓いも此処。父もよく宴会の帰りに鰻食さず折にして持ち帰り幼き我も嬉しかった記憶。遺影と位牌携え帰宅。自宅まで来られた父の旧友を駅まで送り帰宅。半時間ほど寝る。晩に水戸に泊まった伯父と従兄弟S兄夫妻、母と妹とZ嬢の七人で市街の自宅改装のリバティーヌなる洋食屋に晩餐。S兄夫妻らと白葡萄酒二本。静かに晩を過ごす。

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