富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

農暦正月初二。快晴。早朝に海岸散歩。潮退いて珊瑚や蟹多し。部屋にて甘食などで朝餉済ます。ホテル規則にては外部からの飲食品持ち込みの場合はホテル内での販売相当額との差額徴収とあり。NHK見ながら荷造り。昨晩のW杯予選は日本中が興奮、頑張りましたねぇ。相手が北朝鮮とあってご覧のように「警察の方々」もかなりの数が警備にあたっています。丁寧、敬語の氾濫。ご覧ください、あちら赤の服装が、あれが北朝鮮のサポーターたちです。って別にテロリストでも天然記念物でもあらず。普段、通勤通学の満員電車に同乗する市民。たんに朝鮮系で北朝鮮チーム応援するだけ。何も考えずにこのテレビ見ているだけでいかに思考がバカになっているか。三井住友フィナンシャルグループ大和証券の統合もニュースではW杯予選の次。ところで何故「三井住友」と「三菱東京」もFinancialがファイナンシャルに非ずフィナンシャルなのだろうか……と気になったら道浦俊彦氏のこちら(ことばの話117)が面白い。今もっとも可笑しいお笑い番組「海外安全情報」では「ホンジャラスの路線バスで万引きなどが多発」と(笑)。この番組見た者の何割が海外に渡航するか、その何割がホンジャラスに行くか? ホンジャラスって何処? たとえホンジャラスに行く者がこの番組見たとしてもその何割が市街の路線バス利用するのか。かりにホンジャラスで路線バス利用する者がいても、そのような者が今さらNHKの海外安全情報など必要とするレベルかどうか、と考えると、つまりこのホンジャラスの情報は無駄以外の何ものでもない。朝番では日本映画の特集。日本映画が話題騒然だそうな。大したことない気がするが純愛物が好調で、山本晋也はそれを日本映画には日本独自の恋愛観があるじゃないですか、と。W杯も頑張っています、日本映画も頑張っています、と何から何まで「頑張っている」と言わねばならぬ、つまりは元気のなさ。日常のなかでのテレビのこのバカさ加減。お笑いバラエティ番組とドキュメンタリ以外は真剣に見てはいけない。ホテルをチェックアウト。Z嬢のも含め読了の十冊ほどの本を残して去る。セブの唯一の心残りはこの空港のあるラプラプ市街にあるといふ日本料理店「サザエさん」(笑)に行けなかったこと。世界中に源氏とか銀座、ミカド、都などの名前の日本料理屋ならいくらでもあるが「サザエさん」ほどイカした名は知らず。ホテルから空港への道すがらあらためて多くのリゾートホテルの残骸眺める。Plantation Bayとシャングリラだけが勝ち組。何より問題はリゾート観光地としてホテル施設以外に市街など何もなきこの様。何もないならないでのんびりしていればいいが中途半端な「開発」の中途半端な停滞で、ただ埃っぽい集落が自動車道路に面して点在。カネが全く動かず。ホテルのシャトルバスの時間の悪さで出発三時間も前に空港着。CX920便にて香港戻り。場内アナウンスのやけにうるさい待合室でのんびりと原武史保阪正康の『対論昭和天皇』を読書。そのうるさいアナウンスでZ嬢の名前呼ばれ何かと思えば遠くから眺めているとZ嬢のあまりに「変に」冷静な顔に「やったね」と察したらやはりCクラスへのアップグレード。これでZ嬢だけだったら笑えるが、ちゃんと二人。旧正月の連休は週末までで本日けしてオーバーブッキングの気配もなし。すでにチェックイン済ませての搭乗前で、どうしてアップグレードなのか理由の説明もないがご厚意はご厚意。先日のAsia Milesでの不手際のお詫びか、と一瞬思うがまさか……。東莞シェラトンの件はそういえば一昨日携帯に電話ありマイレージでの宿泊確定で解決済み。搭乗せばCクラスも「2席除いて」満席。なぜ「2席」だけ空いていたかといふと香港ジョッキークラブ主席Ronald Arculli様がCクラスご搭乗で(CXでは最も設備の遜色るA330機にFクラスないからかどうか知らぬが)当然の如く12AとCの席確保かと思えばご夫人が12Aで隣り空席、ご主人は通路挟んだ12Dで同じく隣り空席(座席表)。隣席まで航空券買うのはヨーヨーマ先生だけだと思っていたがご夫婦でまさかCクラス4席確保もなく恐らくジョッキークラブとは蜜月のキャセイパシフィック航空の配慮かと察す。いずれにせよ我ら2時間余の近隣リゾートへの数泊の旅で身銭切ってのCクラス利用もマイレージの「浪費」もせず、が復路のこの厚遇で「やはり乗るならキャセイ」と(笑)。実際にここ数年CXしか搭乗していないのは事実。このフライト、香港よりの921便到着してわずか30分後の出発では搭乗員もさぞや激務だろうが下手に2時間とか空いての復路よりも2時間余のフライトならさっさと香港に戻ったほうが一日の疲れ的には楽かも知れぬ。葡萄酒はMercurey Domaine Louis Maxの01年。まだ若い感じ。Vieux Ch. Londonといふメドックのかなり小さい酒荘のだそうなCru Bourgeoisの01年、こちらはかなり美味。ポート酒でDow's Late bottled Vintage 97年少し飲んだらもう香港着。大型連休中のふしぎな閑散の空港。荷物受取りでArculli主席が何か気になるようで何かと思えば幼い女の子がベルトコンベアの端に手をかけており主席わざわざその子のところに来て「危ないよ」とその子の手をベルトから外して注意。日本人の親、我が子を目の前にした親、注意してくれた人にも礼も言わず。その子がターンテーブルの向こう側に歩いて行ってしまっても気にもせず主席かなりそれが信じられぬ、といふ表情。当然。香港は朦霧ひどし。飲食店は多くが元旦から営業し97年の旧正月並みの好景気とか。帰宅して日暮れまでにさっさと旅荷片付ける。晩に旧正月の花火あり。拙宅からは見えず爆音のみ。『対論昭和天皇』続き読む。

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