富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

一月九日(日)快晴の日曜日仕事たまり午後まで机に向かふ。ジムにより中環のIFC。レーンフロフォード百貨店のIFC店覗く。中環皇后大道中の本店にかわる旗艦店なり。保守的正統派の本店に比べかなり垢抜けの店狙ふ。九龍側には尖沙咀にもオーシャンセンターに大型店あり。二店舗の賃貸料払うだけでどれだけの負担か。億の単位の改装費も回収できるものか常識的な判断では×だが。Z嬢とIFCの映画館にてアメリカ映画『オペラ座の怪人』観る。「オペラ座の怪人」ぢたいブロードウェイのミュージカルでありこの映画がアメリカ映画なのだから十九世紀後半の巴里のオペラ座舞台に登場人物が英語話すことも音楽がポップス系であることもおかしからず。アメリカ映画であるから感動場面がタイタニック風なのも後半のオペラ座地下への侵入がインディ=ジョーンズ的なのも至極アメリカ的。フランス人が観たらピンとこないが純粋に「よくここまで映画作れるな」とエンターテイメント的に感心。「勝手に作る」ことがその意欲かも。ただし残念なことは主人公の怪人(Gerard Butler)にもクリスティーヌ(Emmy Rossum)にも恋人役のPatrick Wilsonにもどうしても魅力感じられず例えば怪人がStingであればストラヴィンスキーの「兵士の物語」で見せた技量でもっとカッコイイだろうしEmmy Rossumは容姿も「ちょっとアンタ『オズの魔法使い』じゃないのよっ!」とピーコ的にコメントしてしまいそう。結局クリスティーヌの優柔不断さがオペラ座を破壊させるほどの惨事の引き金になっているわけで、それでクリスティーヌを責めるわけにもいかないのだが。でもブロードウェイの傑作をあれだけの映画にしてしまうのがアメリカなのよっ、と小森のおばちゃまも享年九十五歳にて逝去。終わってフェリーで尖沙咀。まだKCRの工事現場乱雑なる尖沙咀尖沙咀東まで歩きRoyal Garden Hotel地下の東来順にて羊肉のしゃぶしゃぶ。葡萄酒は山西省のGrace VineyardのTasya's Reserve 01年。羊は秀逸ながらスープもついつい飲んでしまい明日からだが羊臭いことが心配。前回、香港国際レースで競馬場で前晩に羊食した私らのあたりがぷーんと羊臭い経験あり。ふと思ったがこのホテルにはこの店といいイタリア料理のSabatiniといい好評のレストランありチョコやケーキまで有名だが隣のRegal Kowloon Hotelは入ったこともなければ噂も聞かず。同じ規模の同じ格のホテルでもかなりの差異あり。帰宅して大塚英志江藤淳と少女フェミニズム』続き読む。

富柏村サイト http://www.fookpaktsuen.com/