富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月廿八日(火)曇。朝の気温摂氏十六度。十四度まで下がると天気予報。厳寒。朦朧と朝七時に起き荷造り。タクシーで香港站。機場快線で空港。M君より電話でプーケットにて最後まで安否わからずのKさんの安全確認と電話あり。安堵。ここ数日無性にラーメン食したく空港内の味千らーめんに食す。CX520便にて成田。機内で先週のカドーリー農場レースに参加のN君夫妻に会う。機内にて数年ぶりに酒一滴も飲む気もせず。数日分の新聞数紙読み大塚英志の『江藤淳と少女フェミニズム的戦後』僅か一章読むが爆睡に陥り気がつけば九十九里浜。着陸してから二十分も空港内を走りゲート着。このまま滑走路延ばして東京までダイレクトにできる距離では?とZ嬢と。京成線スカイライナーで上野。江戸川、中川までは夕陽のなか千葉の郊外の荒涼たる風景に悶々。列車が荒川越え大川渡ると東都に戻ると何処か気分も少し晴れる。日暮里で国鉄に乗換えZ嬢と別れ上野で下車。不忍口でコインロッカーに荷物預け上野駅出て年の瀬で賑わうアメ横(写真)。洋物ライター屋など冷やかし母に電話で尋ね数の子と明太子購ふ。御徒町にふらふらと歩きふらっと白山眼鏡店。昨秋に巴里のLafontで購った近眼鏡ととても似たデザインの太陽鏡購ふ。「たかだか」通りがかりの客の太陽眼鏡に三十分余もかけ顔形にぴったりと合うまでフレームの調整され敬服。次々と立ち寄る客への客偶ひの見事さ。御徒町の「吉池」素見し松坂屋にて津軽塗の箸と柘植の箸入れ購入。持ち歩き用。老い先短き身せめて外での一食一膳自らの気に入らぬ箸は用いたくもなし。御徒町駅で従兄弟のS兄夫妻と待ち合わせ御徒町の京町屋なる料理屋。福光屋の純米・黒帯。料理も創作風だが底味しっかりと食すに値する店。店員も好感もてる様。キョービの若者はニート系だのいろいろ言われるがアメ横でもこの料理屋でも働く若者は実に律儀に一生懸命働いている姿多し。十歳になる前から付き合い易き従兄と酒飲み語らふには絶品の兄嫁と款語戯言尽ず。タクシーで送られS兄夫妻と別れ余の幼き頃のいい意味で薄汚なさ払拭の上野駅。午後十時の特急に滑り込み二千円加算でグリーン車。日本の冬の列車暖房強すぎ。TシャツにGパンで靴下脱ぐが寒からず。酸素不足。三更に実家に戻り母と語らふ。

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