富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦九月初十霜降。快晴。Z嬢と西貢よりタクシーで北潭凹を越え黄石埠頭。午前十時半の連絡船(写真)に乗り西貢の最も北となる大灘海の高流湾に至る。岬の突端の静かな漁村(写真)には子供もおり何処の学校に船で通うのか。海岸を西に歩き始め蛋家湾。すでに廃村となるが謝屋、劉屋と姓が集落の名、林屋には住む人あり林屋の隣に教会と福利更生の施設あり巫屋といふ集落名は興味深し。魚の養殖場など眺めながら藪扱ぎとなり狐狸叫より岬の尾根まで二百米ほど上がり東にシャープピーク(写真)を仰ぎ蛸蛇湾(写真)の碧き海を見下ろしながら尾根歩きを続け一つ名もなき標高三百米の峰を越えトレイルコースの2の大浪凹の峠まで久々にトレイルコース外れ郊外地図でいふ破線の、途中何度か藪扱ぎや道に迷い地図と磁石の要るコース。ここまで山道にて人ひとりに遭わず。トレイルコースの2を赤柱まで歩きここから本日の出発の黄石埠頭まで戻る。午後三時半のバスに乗るべく赤柱より黄石までは途中走る。18kmほどのコース、4時間余。黄石埠頭よりバスで西貢。西貢のバス乗り場近く、福民路と敬民街に挟まれた横丁(セブンイレブンの横入る)に何故かタイ料理屋多し。どの店に入ろうかと悩んでも結局、料理が向かいの店から運ばれたりと料理屋の名前からしてよくわからず。そのうちの一軒で春巻、紅焼猪頸とタイ式牛南飯食しビール飲む。そういえばこの横丁に龍記桂林米粉といふ小さな麺屋あること思い出して牛南米粉と韮菜水餃米粉食す。太めの確かに食感は米粉なのだがこれが桂林の特産なのかどうか知らぬ。が美味。本日の競馬は珍しくハッピーバレーで昼競馬。豪州のCox Plateの中継あり。余はGrand ArmeeからPaoliniと香港牝馬Elegant Fashionに流しもう一つStarcraftから同じくPaoliniとElegant Fashionに流す。が結果は107磅の斤量の軽さでSavabeelとは余は逆立ちしても買えず。一日歩いた疲れとビールの酔いでミニバスも地下鉄も寝ていたら地下鉄の中で選んだ馬が二着となり一瞬落胆したが連複でこの馬から総流ししており結果的に大当たりといふ夢を見る。夢まで競馬とは。ジムに一浴し自宅に戻り晩に香港文化中心にて日本のSal Vanillaといふ舞踏集団の「増幅amplified」といふパフォーマンスあり。期待したが余には理解できず。照明や映像などかなり凝ったものだが舞踏のもつ身体性、そのアッピールが照明や装置によって有耶無耶になってしまふきらひあり。純粋に身体の動きだけ見ようとしても「身振り」が「振り付け」の難かどうもいただけず。抽象的であるのは勿論良いのだがカタログ見れば「都市社会での人間の身体の埋没、いかに空間の多元性を探索するか」といわれても、残念ながらこの舞台から何も理解できず。会場ロビーで流れるビデオなど見るとこのSal Vanillaのパフォーマンスはもっと面白そうで、あくまでこの作品に難ありと理解すべきか。スターフェリーで波戸場で買ったXtcIceのジェラート頬張る。帰宅して競馬の結果見ると最終レースでホワイト君騎乗のWealthyで連複の総流し(当然これが一番人気)が二着となり結果33倍だかの配当。早い晩の競馬の夢が正夢だったとは(笑)。

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