富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月廿五日(日)曇。朝八時半に起きてしまひ朦朧。沙田競馬場QE II Cup開催日。日本馬の参戦なく日本からの客少なし。月刊『ハロン』S編集長昨年の疫禍の最中での開催と同様に来港。メンバー席折からのパドック大改修で場内狭き上に大陸からの田舎漢多し。最近メンバー席にスニーカーにTシャツジーパンとカジュアルすぎる者目立つ。香港の地場騎手で見習いからの叩き上げにて第1期のA.S.Cruz(地場騎手で唯一人の年間最多勝記録・現調教師)に続く秀材と期待されたがレース捏造贈収賄の咎にて二年服役せし銭健明君香港競馬界より追放され独逸など欧州にて研鑽の身が遂に香港競馬界に一日のみだが復帰。期待。7Rの主席短途奨はスプリント馬では世界最強の呼び声高きサイレントウィットネス馬の初戦からの負け知らずの十一連勝に期待かかり単勝のオッズは1.1倍、複勝はこのサ馬の期待値より参戦馬全駒が1.0倍(実際には最低配当額のHK$10.1)といふ『ハロン』のS氏すら初めて見たと驚く倍率。今季このサ馬圧勝に絡むのはCape of Good Hope(喜望峰)馬とFirebolt馬にCheerful Fortune馬あたりが脚かと思えばサ馬の他馬寄せ付けぬ圧勝は当然として二着の喜望峰馬に続いた三着が電子麒麟(Electronic Unicorn)馬。電子麒麟は昨年同期のThe Champion Mileに優勝して以来の実に一年ぶりの参戦にて余は恥ずかしながら電子麒麟すでに引退と勘違いしていた程。その電子麒麟見事に三着入賞。サイズ調教師の見事さ。この十一連勝、これまでの記録は十連勝で馬の名は翠河、その騎手がA.S.Cruzで馬主が現ジョッキー倶楽部主席。続く8RはQE II Cup。同じCruz厩舎のラッキーオーナーズ(幸運馬主)馬が一番人気。地元馬では牝馬エレガントファッション、招聘馬ではドバイ国際レースにてドバイ免税店杯にて同着優勝の独逸からのPaoliniと南アのライトアプローチそれに英のScott's Viewが有力。Scott's Viewに騎乗続けるは前述の銭君。だがレースは意外な展開見せて地元馬で59倍と人気薄の香港ジョッキークラブ主席の所有馬リバーダンサー(駿河)が優勝。二着にエレガントファッションで三着がScott's Viewといふ結果。競馬開催の胴元が自ら優勝とは。これもSize調教師のSizeマジックか。QE II Cupは昨年まで二年連続でエイシンプレストン馬優勝し地元馬は98年のオリエンタルエクスプレスと00年の実業家に続くもの。続く終戦2レースに馬主C氏所有の二頭参戦するが振るわず。余の馬券も全く振るわず惨澹たる結果。晩にS氏誘いZ嬢とHappy Valleyの益新飯店の改めて開いた益新美食館に食す。午後九時の予約にてS氏の競馬場での記者会見取材早く終わり八時すぎに益新訪れれば二十坪余の狭き食堂は満席盛況にて九時まで成和道向かいのBrownsにて麦酒飲む。益新に食せば旧知の給仕長に給仕、客まで嘗ての益新にて何度も見かけたる常客多く、料理も実に懐かしき益新の菜が並び嬉しく舌鼓み打ちつつ我が家に還った如き心地に三人にて紹興酒二本空ける。給仕長氏語るにこの二月に再開せば多くの客戻り商売繁盛だが店狭く全ての来客に応じるに能わずと。益新の再開と盛況喜ばしき事なり。

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