富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

百樂潮州酒楼 壽桃包

四月廿三日(金)昏時ジムに参らむと銅鑼灣に下りればZ嬢より来電あり酒場East Endに落合いステラ麦酒一飲。晩に門司よりK先生の奥様千葉に住ふ令妹と来港にて先生いらした当時の知人ら集い利舞台の百樂潮州酒楼にて晩餐。百樂は利舞台から交差点渡りし先に本店ある老舗にてこの距離に分店開くとは大胆。かなりの盛況。この利舞台など益新飯店閉じてから何年ぶりと余が言ふとL氏につい一二ヶ月前にHappy Valleyにて益新が新たに開業と教えられる。経営者のC氏も料理長も同じだそうな。吉事。K先生夫妻恰度還暦にて壽桃包差上げようと食後にK夫人らと散歩と称し灣仔歩き海都海鮮酒家と経営同じくする東海海鮮酒家にて壽桃包購ふ。この謂わば桃饅頭に故事あり戦国の時代に齋の国に孫月賓なる齢十八の若者郷里離れ雲濛山の王言羽に拝し師と仰ぎ兵法をば学ぶが十二年後の五月初五に孫月賓突然この日が母の八十の大壽と思い出し自らが母親に養い育てられた恩に一度たりとも答えておらぬ母に祝壽と思えば師の王言羽が桃を一つ孫月賓の母の大壽の祝いにと授け孫月賓故郷に還り母に不孝詫びてこの桃を給せば母が桃を頬張るなり銀髪は煌くばかりの黒さとなり顔の皺も消え眼晴明瞭若返りこの話伝え聞いた者が孫月賓に肖ろふと父母の誕生日に壽桃をば贈ろうとしたが水桃には季節あり桃に変えて壽桃をば状どったる饅頭を作りこれをば父母に送り親の健康と長寿百歳を祈願したもの。K夫人らを灣仔のホテルに送る。

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