富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月の気温三十度は58年ぶりとか

四月廿二日(木)快晴。気温摂氏三十度に至る。四月の三十度は1956年以来半世紀ぶりのこととか。晩に読んだ月刊『東京人』五月號に都立大など廃しての首都大学頭狂の総長に成る西澤潤一が新構想語る提灯記事あり。出版元が都市出版株式会社といふ『外交フォーラム』など出しているお役所系の出版社であり当然といへば当然か。この号の特集も地下鉄特集は帝都高速度交通営団東京メトロへの改称に関るものであるしもう一つの小特集も「新撰組の江戸東京を歩く」で大河ドラマと企画が安易といへば安易。二百号越えて特集のマンネリは致し方ないが何故マンネリするかといへば下町だの落語、庭園散歩と当たり障りなき特集しか組めぬからで本来なら「東京人」といふのなら一度くらい「総ざらえ石原都政」だの「天皇制の地政学」だのやればマンネリせぬのだが所詮無理な話。
▼自己責任について。築地のH君より。小林よしのり先生テレ朝への出演にて自己責任論を一蹴とか。よしりん「自己責任とかゆうとる政治家、わしは許せんよね。国民を守るのは、彼らの仕事なんよ。オマエラがゆうか!とわしは思うんよ」「費用を出せとかせこいことゆう奴もおるね。それくらい政府が出せばいいんよ。税金はろうとるんやからね」など見事な正論。だが「今回面白いとおもったのは、ひごろ国家なんか知らんゆうとるようなサヨクが、国民の保護は政府の義務だとかいいだして、逆に国家国家となにかと持ち出す人が急に「自己責任」だって。面白いね。みんないいかげんやね」といふのはよしりんの思い違い、とH君。小林先生、市民主義者=左翼、と思ってるようだが、H君指摘するは、本来、左翼=国家主義者→国家権力を奪取して正しく人民のためにそれを行使する、というのが本来の立場、共産主義者は勿論、「左翼」の原義となったジャコバン党=共和国への熱烈な忠誠を誓う愛国者、権力奪取することを当然厭わず。元国防大臣のシュベーヌマンとか21世紀においてもちゃんとジャコバン主義左翼は仏蘭西政界に確固たる地位占める。よしりんは共同体への帰属をとても重要と考えているらしいが、それが仏蘭西人にとっては「自由・平等・博愛」の精神こそ祖国の伝統、「公」そのもの。よしりんもフランスに生まれればジャコバン左翼として祖国の伝統と公への忠誠を矛盾なく完うできたのではないかな?、とH君。

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