富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

四月十三日(火)曇。朝六時半起床。初更に尖沙咀。文化中心にて映画“Song for a Raggy Boy”観る。昨年の映画祭に愛蘭の少女ら収容する教会施設での修道女による少女虐待の物語ありしが今年のこれは同じ愛蘭を舞台に三十年代ダブリン郊外の同じ耶蘇の教会施設の男童院に於ける神父による少年への性的虐待と殺害の実話。この<施設>に、西班牙内戦で義勇軍に加わり退役した男が唯一神父でなき教師として就任。この<更正>施設で少年らに対する厳しい管理と虐待。鞭打ちだの神父による少年への鶏姦だの。文盲に近き少年らに教育施し少年らもこの教師に心開き始めるが終に一人の神父により少年の一人が虐殺されるに至る終焉。この施設ぢたいは多少の改善見せるが殺人犯した神父も鶏姦罪の神父も教会の庇護により司法官憲といった教会外の断罪もなきまま生き長らえた事実。八十年代となり漸くこの施設は廃止されるが教会の神父による少年への淫行など数年前にも米国にてこの醜態暴露され何人もの枢機なる神父らの前歴をば呈はとされローマ法王が文書にて遺憾表明するに迄至るが宗教施設において神の名の下の「更正」により性的醜態蔓延る歴史。香港にても十数年前の神父による少年への鶏姦が昨年だか漸く暴露されたが当時は少年の訴へに対して警察も教会といふ権威への介入避けて事件をば黙殺。教会と警察もフーコー的には同類であるが。また男童院内での逗留する少年らによる新入りへの口交肛交の強制による醜聞も絶えず。結局、<施設>のもつスキャンダラス性。更正意図する施設が寧ろ更なる猥褻を生むこと。尖東に往き昨日に続き一平安に食す。科学館にて映画『Peep“TV”Show』観る。土屋豊監督。九一一に触発されメディアやキャメラと人間との関わりとか監督本人上映前に語られ意図わかるが出演する若者らに余は何ら興味も関心ももてず。Z嬢も来観ゆへ終わって三更に焼鳥・五味鳥に飲む。小雨。深夜一時すぎ荷風日剰少し読み寝入。深更に落雷驟雨あり。
▼先日日剰に綴った前・教育署署長・羅女史による「董建華率いる香港政府は教育に多くの投資をしておりその最大の受益者たる学生は董建華を避難する権利はない」との発言。翌十一日には本人が失言について謝罪。学生は現実もよく理解した上で判断必要であり安易な罵詈雑言にならぬようとの提案が本意、と。

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