富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十一月初二日(日)晴。毎年長距離走の季節到来告げるHKDRC主催のFilaのハーフマラソン。朝六時前に家を出て天后より主催者用意のバスで大尾督に向かう。今年で四年連続の参加か。但し今年は暴飲暴食に不摂生で肥満、運動不足ひどく完走できるか自信もなし。案の定走り始めると身体も驚いたのか心拍数上がったまま一向に下がらず後半に入り少し楽になり、どうにか上り除けば6km/分のペース保ち2:05:51にて完走。海抜0mより走り始め海抜200m近くまで上り鹿頸まで下り折り返す過酷なコースだと思えば日頃の運動不足からすれば健闘。終わってランニングクラブの面々と朝の十時すぎだというのに大尾督の郊外料理屋で麦酒。T夫妻の車で九龍塘まで送ってもらい帰宅して競馬予想。午後三時までウトウトしつつテレビで競馬観戦。夕方から油麻地のBroadway Cinemathequeにて独逸映画“Good bye, Lenin”見る。東独逸崩壊を10数年でここまでの物語にするとは。それも喜劇性、政治、経済、家族問題など脚本の素晴らしさ。日曜の夕方の特別上映ながら満席、当然ドイツ人の観衆多し。本日、競馬はThe Ladies' Purseのレースありpremiere Classで強豪揃うなか馬主C氏のDashing Championが今季初戦。昨日のオッズ71倍とかなりの人気薄だが何人かの信頼もてる評論家が調教の時計の良さなどから「ひょっとして」の大穴予想もあり「せめて」と複勝及び軸にしてのQとQPの総流しするが六着。残念。一着は昨年デビューから五戦四冠一季〇負のCheeful Fortune破竹の勢い。尖沙咀にてTommy HilfigerがAmexのカードなら三割引でシャツ二枚購ふ。中環。FCCにて晩餐。走ったから、と言い訳で数年ぶりにビフテキ食す。本日快晴ながら靄がかっり視界悪く大気もどんよりと市街にこもる。大気汚染の指数は140だかを越えここ数年で最悪とか。11月だといふのに気温も25度だかまで上昇、熱帯性低気圧と大陸の気候の影響で沿岸の大気まったく動かず埃塵だの排ガスなどが舞っていると天気予報。不快甚だし。視界は2kmといふが実際には香港、九龍いずれも対岸すら不鮮明(写真)。さすがに疲労甚だしく風呂に入り正高信男『ケータイを持ったサル』中公新書少し読む。
▼「あれ」の暴言停まること知らず。今度は中国の有人宇宙船取り上げ「中国人は無知だから喜ぶ」などと述べ「日本がやろうと思ったら1年でできる」と。もはや歴史問題ばかりか、とにかく朝鮮支那は全て罵声浴びせぬと気が済まず。何処までエキサイトするのか、最後はご自身がテロの標的になりませぬことを祷るばかり(笑)。この発言も、裁判官が暴走族の少年らに「産業廃棄物以下」と罵ったのと同じで、実は中国の有人飛行船を馬鹿にして見下したい日本人少なからず。それを「あれ」は計算づくめで代弁。裁判官の「産業廃棄物以下」発言も新聞社にはその裁判官支持する読者の声がほとんどだったとか。問題は築地のH君の指摘の通り、石原慎太郎であるとか「産業廃棄物以下」裁判官であるとか長崎の少年による男児殺害事件での鴻池大臣の「親は市中引き回しのうえ打ち首にすればいい」などと言った発言に「俺が思った通りのことを行ってくれた」と溜飲を下げてる国民が多いこと。自分の個人的感情レベルで思ったことと、それを都知事、政治家、裁判官が公の場で口にすることの違いすら判らず。本来、社会だの政治だのの鬱憤は選挙だの世論を通して権力側に向けられるべきはずのものが、石原、この裁判官や鴻池といったトリックスターの存在により、個人的感情レベルと公的なるものの区別すらつかぬ多数の国民によって、権力側は安泰しただただ社会の悪化だけを招くのが今の日本。