富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

fookpaktsuen2003-10-17

十月十七日(金)快晴。後世にファッショ選挙として名を残すことになるのだろうか来る11月の衆議院選挙の在外投票の報せ見てふと余の在外選挙人証みれば昨年七月に転居したものの旧住所のまま。香港は在外公館での投票できず郵便投票にてこれでは投票用紙旧住所に送られ已に郵便転送措置も了い投票用紙受け取れず。早速住所変更の手続要すが郵便投票なる方式甚だ不便にて当方より選挙人証同封して投票用紙請求し投票用紙入手し返送する1往復半の手間あり住所変更との問題は住所変更に選挙人証送っては投票用紙請求できぬ事。住所変更であれ投票であれ選挙人証という原本を各選挙管理委員会に送るという行為が大きな問題。だがこれで四五年前に在外選挙始ってしまい一旦始ると改善もできず。この住所変更と投票用紙請求が重なった場合の手続きについて恰度昼時にて総領事館に問い合せできず外務省サイト見るが説明なく電話にて問い合せば具体的方法の提示なく投票できる在外公館もかなりあるので出張の折など何処かで、というのも無理ですかねぇと。無理。外務省何が興味深いかといえば電話での質問に対して「お名前は?」「個人の方のご質問ですね?」とかなり慎重(笑)。何をか惧れるか。郷里の役場の選管に問い合せ。余の質問は簡単にて住所変更と投票用紙請求が一度機に出来るかどうか。担当者不在で選管より折り返しお電話しますと余の電話番号聞かれ香港といふと先方のオヤジ職員「選挙の問い合せで海外に国際電話できることの可否」に悩み「ほ、香港ですか……」と凍り付くばかり。結局、夕方総領事館にて住所変更手続せば衆議院選挙近きこともあり「ついでに投票用紙請求も送ってしまいませふ」と。早晩に巴里とドバイの写真現像上がり受領。FCCにて独り鶏肉バーガー食しギネス麦酒。小さいが充実した蒸風呂とジャグジーは余の他誰も居らず貸し切りで風呂に浸かり乍ら3週分の週刊読書人など読む。香港政府前から金鐘に歩きTamar Siteにて開催のHK Harbour Fest 2003にてPrinceの演奏会参観(写真)。香港米国商工会議所主催のSARSより復興記念の大企画ながら単なる大物外タレの音楽会続くばかりにて開催ぢたいは勝手だが問題は政府これ支援しSARS基金よりHK$八千萬(1.2億円)捻出に疑問の声多し。しかも殆どが入場料収入にては賄えぬ高額のギャラの補填にて殊に今回最大の目玉はローリング還暦ストーンズにて出演料も天井知らずの高値。この開催に市民よりの税収入を而もSARS対策の基金より支出することに疑問の声高し。ちなみに地元芸人にも出演依頼あれども外タレの高額ギャラに対して地元芸人には数万ドルのお車代のみで梅艶芳など馬鹿にするにも程があると出演辞退。当然。そのような米国商会主催の胡散臭き催事に関わりたくなどないがPrinceの初来港となれば話は別。Princeは80年代の始めからか当時カフェバー全盛にてMTVには肌黒きMichael Jackson先生など全盛、Princeも楽曲1999の頃より余は贔屓にし80年代も中葉かPurple Rainの流行のあとの日本公演あり当時、仙台にでアマチュアとして活躍のダンスバンド阿Qの諸君らと横浜まで参観したが最初、その後80年代末には後楽園ドームにて複び。この時は公演当日に余の渋谷川沿いの恵比須の安アパートにて「ああ、折角のコンサートで××でもあればなぁ」と呟けば恰度X嬢「あら××ならあるわよ」と宣われ折角だからミュージシャンのT君も呼びませふと電話すれば中目黒より僅か1分でT君現れ三人にて××愉しみPrinceの演奏会に馳せ参じた次第。懐かしきことなり。それから早十五年余。当然開演遅れるだろうと午後8時の定時すぎに来場するが香港の女歌手の前座ありPrinceの演奏は午後九時より。約8割の入り乍らPrinceとは誰ぞ?といふ表情の誠実な家族連れだのPrince全盛の頃に生れたか生れぬかの稚いPrince知らずの客も動員だろうが少なからず。最初の曲がいきなり“Let's go crazy”にて当時青春謳歌せし30代後半より四十代の客は大騒ぎ。Princeのポップ音楽とは安来節なのである。Prince先生45歳乍ら未だお若く、頬の筋肉動かず表情変らぬ気もするがそれはまぁ芸人ゆえのご愛嬌、可愛らしく妖精の如し。バンドとしての演奏力など80年代当時より確実に向上しつつ往年のヒット曲メドレーなど過去の追憶。このHarbour Festには疑問多いがPrinceがこの金鐘の超高層ビル背景に演奏とは香港に住まう往年のPrinceファンにとっては幸事。屋外のこの会場で噪ぐはWoodstockの香港版かと思いつつ米国商工会議所が主催し政府の投資組織Invest HKが資金面支援しSARS基金費われと実に政治的にてWoodstockとは同じにできぬ実に政治的に仕組まれた催事。口悪く喧ればSARSに便乗した米国商会赤字補填を香港政府に強請し利益米国に吸上げる。Princeの演奏一時間四十分ほどで終い最後アンコールはお決まりでPurple Rain聞けば80年代の娯しき日々思いだし感慨に耽る。終演後の混雑避け楽曲終了早々に退場。最後まで残った客は六七割か。12,000人収容の会場は一部座席撤収されており一万人として入場料払った客が同じく六七割としたら一晩の公演にては当然赤字。ここにSARSのための基金が浪費されるとは。