富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十月初九日(水)快晴続く。燈刻ジムにてT君と遇い灣仔の Delaney'sにて鶏肉のサラダとBeef & Guinness(牛肉をギネス麦酒使ったソースにて煮たもの)を肴にギネス生麦酒一飲しほろ酔い加減にて快活谷競馬場。R7はHappy Valley Trophy(1200m)にてLegrix君パドックにて視線あうといつも微笑まれるが返し馬でまで手を挙げて挨拶をうけLegrix君騎乗の Victory Warriorは6.4倍の二番人気にて前走の時計も佳くこれは買わぬわけにはいかぬ。先行馬にて第二コーナーより先頭にたちこのまま最後の直線逃げてい けるかと期待したが速度落ちぬものの引き離すほどにならず冷馬Bull's Eye今晩は好調らしき騎手Williams君見事な追い上げにて一着。それに続いて上がったMy Honour(Schofield君)もVWを僅差で差しVW三着。複勝も同額買っておいて小額を回収。馬主C氏、息子のB君と遇いDashing Winnerは20日雪辱戦と。帰宅してショットグラスにDordonsジン、Cointreau微量おとして一飮。『道頓堀川』読む。
▼広東語にて20、つまり廿に「やー」という語があり24を「いー(2) さっぷ(10)せい(4)」つまり「に+じゅう+よん」という言い方とこの廿四を「やー(廿)せい(4)」という言い方あり。30も三十と卅(さー)あ り。31は「さーや」で畏友M君ふと「さーや」といえば紀宮様つまり清子内親王殿下と。紀宮様が 御年卅一歳におなりあそばせば「これがホントのサーヤや」と具申せしむところ二年前にすでに「さーや」に おなりあそばされ御年は卅三(さーさん)であることを識る。
▼一昨日読んだ『遠野物語の誕生』に釋迢空こと折口信夫登場しさういへば ヨシモト隆明『共同幻想論』も折口あらはれやはり感じ入るはこの先生の影響力。ふと平凡社の世界大百科にて引けば「中学教員時代,母校国学院大学の教授, また慶応義塾大学の教授としてのあいだ、信夫は身を投げうって多くの教え子を育てたすぐれた教育者であっ たが、自身は生涯独身を保ち、〈あゝひとり 我は苦し む。種々無限清らを尽す 我が望みゆゑ〉という晩年の作歌がある」と。モノも書きやうとはまさにこれ。実際には〈あゝひとり 我は愉しむ。種々無限淫らを 尽す 我が望みゆゑ〉であるやなしや。キョービの趣も思考に閑暇も幅もなき浅慮なる時代にあっては折口先生もセクハラ変態教員扱い、か。荷 風もエロ作家、乱歩は猟奇オタク、大宰は自殺中毒症……と笑っていいとものレギュラーにて世の嘲笑を授かるか。