富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月九日(金)大雨。黄雲警報発令。風邪甚だ酷し。医者には休養を促されたが急ぎの工作あり寝てもいられず。而も寓居は引っ越し前に業者が済ませぬ修理工事残りその続き作業の最中にて臥床といふわけにもいがず。晩に一時間もバスに揺られ旧型のバスにてくだらぬRoadshowの類の宣伝放送(ちなみにどうせならくだらぬ放送は即刻中止せよとメールでも送ろうかと思ったがKMB傘下のこのRoadshow運営会社のサイトには "Contact us" の類の連絡先なし、つまりそんなもの設けずとも苦情しかなきことを証明している、か)もなくバスはかつてこれほど静かであったのかと痛感するが冷房厳しく余の悪寒凄まじく本を広げもできずただ震えるばかりなり。石川淳森鴎外』読むが集中もできず。
▼『信報』林行止專欄にて5月28日の同欄にて筆者すでに快餐(ファーストフード)過食中毒による肥満、心臓病などを取り上げ煙草と同じように快餐会社が被害者に訴訟起される時代の到来を述べていたが『経済學人』すなわち "The Economist"' 誌もこれを取り上げる。煙草のようにファーストフードには中毒者治療のための公的資金が導入される由にて重税がかけられファーストフードの包装紙には「1つですら充分、2つで食べ過ぎ、3つは肥満」というような警告の印刷が強制される時代すら到来か、と。我思ふにこの世に4つ帝国あり1にマイクロソフト社、2にマクドナルド、3にコカコーラ、4にディズニー。当然、KFCだのペプシだのも亜流としてそれに含まれるが。つまりマクドのバーガー貪りつつコーラ飲みWinマシンにてディズニーのサイトを見ていることがどれだけ身体と精神に異常を来すか、ということ。
▼連日新聞にPCCWが広告掲載し住宅電話について他社の設営であってもそれに不備、苦情等があれば信頼と実績のあるPCCWにご一報を、と。PCCWはかつてのHK Telecomであり独占企業であった上に英国のCable & Wireless傘下となりそれを李嘉誠の財閥が買収し世界企業への躍進にはHK Telecomといふローカル名は不要とPacific Century Cyber Works としたが折りから世界的なネットワーク業界不振にて株価暴落、かつての独占会社での巨大な組織が人員余剰などあり大幅解雇など悶絶苦闘している最中。今となってみれば香港テレコムなる足場をきちんと確保していればよかったものを世界化の過程で香港の地場での他社侵入を緩し、携帯電話ももともと李財閥所有のOrangeと合わせれば市場独占であったもののインフラを伴わぬ携帯市場には見切りつけ豪州資本のCSLに携帯部門を売り放したりもする。その結果が中途半端に独占崩れ世界企業化にも失敗し、先の今更ながら地元愛顧を強調する広告に到りぬ。無惨。