富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月二十九日(月)70年代に建造された大規模な公共住宅団地であった北角邨が「再開発」となるにあたり住民の移住が促されすでに団地は閉鎖。北角波止場のあたりこの団地や古い上海床屋やカフエなどすでに閉業せし店の造りのみ残り、貴重な香港の都市風景にて写真に残そうと撮影に赴く。晝ころに猛雨あり崖は滝の如く道は激流。引っ越しの雑用続く。Z嬢と晩に銅鑼湾杭州飯店。宋嫂魚羹、生爆鰻片は秀逸。なんでこれほど美味いのかと敬服。お高くとまったわけでもなく気軽ながら敷居が高いか古くさく敬遠されているのか客も少なく静か。それにしてもいくら月曜とはいへ閑散とする店多し。杭州飯店隣りの南北樓も9・11以降米国からの観光客減ったか(なぜに米国人の田舎者は四川料理ばかり好むのか、あれは米国南部の味に近いものありか?)南北樓といへばCitysuperの石川社長も辣いもの好きでこの店の常連であった時期あったはず。蘭桂道といへばまだLee Garden Hotelありし頃はこの道に今ではPacific Placeに入った香港レコオド(レイアウトなどお構えなしで倉庫の如き店内は紐育がお茶の水の専門店の如し)やSogoの上に移る前のSonyの小さなショウルーム兼修理センターありしことを回想す。
▼朝日日曜の「jeans」なる若い読者対象の頁、若者相手でjeansと名づけてしまふことじたいNHK教育テレビでも二十年前にすでにそれがダサいことに気づいていた感覚にて朝日のダサさを憂ふが、更に不思議なのはなぜかその若者頁に夏祭りの写真でお台場にて海中渡後なる浜を進む神輿の写真に「男衆にかつがれ水しぶきを上げながら海中を進む神輿」とキャプションあり写真には確かに下褌のオジサンもいるが明らかに女性二人あり。男衆には見えぬがあれはオカマか。言葉のいい加減さ、きちんと写真を見て物語るべし。
▼同日の朝日に米国の学校にて生徒が星条旗に忠誠を誓う言葉に「神の下の国」とあるのは違憲だとしたサンフランシスコの米連邦控訴裁判所に対し、カリフォルニア州は26日までに、同判決を破棄するよう申立てを行った、と。自由の象徴のごとく称えられるこの国は、国家に忠誠を誓うことが義務でありしかも宗教の自由といいつつ基督教の神が絶対であり大統領は就任の際に聖書に手をおいて宣誓をするのであり司法の独立は民主主義の基本でありながら裁判所の判決が州政府によって破棄するよう求められるといふ、実は世界でも極端な不自由国家であること。誰が北朝鮮を嗤えるか。ただ同じ行為が捕まって極刑に処さるるか放置されるかの違いにて国家の根本概念は基本的に同じ。