富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

二月三日(日)曇。朝、AVOHK主催(新鴻基地産後援)のReservoirレース計5回あり3つ申し込んで初回欠場し4回目にあたる今日のレースようやく出場す。尖沙咀よりバスが出て大帽山の北側にあたる石崗村まで一路三号高速を進み旧英国軍のバラック(将校用住宅)が並ぶ現「我らが」人民解放軍駐屯地より引水路を西に四百米ほど入った地点へ。この軍用地、何が可笑しいかといえばかつての英国軍であるから対中国に対してまさに人民解放軍が国境を越えて香港に攻め入ってくる想定にて(粉嶺は龍躍頭の軍營地もそうだが)北面の敵に対して構えており人民解放軍が駐屯するとなると何故に自らの内地に向かって駐屯しているのかという間抜けな図になる。また英国軍の将校用宿舎も人民解放軍となると香港にそんな将校クラスも少なく一兵卒ばかりで宿舎持て余す。どうせなら軍が家主となり民間に貸出しては如何か、環境よく広さもバッチリの低層マンション群である。一月一日の長州島元旦レース以来のレースにて18kmというのが辛かったがスタート直前に13kmに変更されていることが報告され安堵。錦田の平地から不評山積みのKCR西鉄の延びる線路、操車場の敷地を眺め5kmほど走り河背のダムまで一気に急坂を登る。途中に香港有機野菜という看板ありふと思えばここが精進中華でお馴染銅鑼灣の功徳林の店にも紹介されている功徳林に野菜を供給するための八郷の無農薬野菜栽培の現場と合点す。河背のダムの周囲2kmを一周し折り返す。ダム手前の給水点にて49位といわれ90人ほどいたがタイム的にはやはり身体が重く速度上がらずダム一周のクロスカントリーコースにてここなら得意と五人ほど抜いてそのまま44位。翌日地図で確認するとこのフラットのコースを西に進めば数キロにて大欖のダムの永慶橋にて走ろうと思えば屯門までほとんどフラットで20kmとなることを知る。マイナーレースといえばK氏とH氏にてK氏の車で送られ香港島、なんとなく身体動かし足りずジムにて二時間GXにて鍛練。夕方早い時間だったが蘭桂坊に出て蘭桂坊といえばI君、何処かそのへんに隠れてはいやせぬかと思いWatsonsワインセラーを覗くがI君の姿なく携帯に電話すると案の定この近辺におり蘭桂坊の独逸ビール屋で午後三時から酔ふかと思ふがビール屋も開いておらず向かいのバーに入るとたかだか小瓶のビールがHK$54と呆れる値段にて(ハッピーアワーは午後五時からと、おいおい日曜のお三時から来る客こそハッピーアワーじゃないか、と思ったが女給は首を縦に振らず)I君を待ちビール一瓶にて丁度Z嬢も現れたのを機に辞しClub97へ百年ぶり(真剣に五年ぶりくらいのはず)。ハッピーアワーにてI君のアルコール依存症か飲んだ三杯のジントニックがHK$81ととても安いClub97であった。I君と別れI君やはり今夜の酒を購いにWatsonsワインセラーに入るを見て笑ふ。夜はZ嬢と西環桂香街の坤記、炊込にて季節柄とはいえ小汚い店に私らは六時半に飛び込み卓があったが数分後には街路に卓を出しても足りず客が行列。いつからこんな人気店になったのかと驚くが客も店のカードなど所望するが「そんなのないよ!」と答える女将の威勢よし。炊込飯は豚排骨と鰻白焼の二つ。別に鶏滑肉と栗の鍋。野菜は芥蘭だがこんなもの一つとっても美味。坤記あれだけ繁盛すれば近いうちに新装開店か、小汚くて美味いうちがやはり好し、か。