富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月十六日(日)香港インターナショナルカップ開催。予想外れのおそろしいばかりの展開になった今日一日。発端を夜になって思い起こせば沙田に向うKCRの中であった日系保険ブローカーのK君が、である、私は競馬場に行く時は験担ぎで一等車と決めているのだが、そこで広東省に出張するK君に遭遇。K君も実は競馬好きで今日は無念にも仕事となり今さっき馬券を購入してきた、と。ただレースも見れないので今日は安易に全部、日本馬ですよ、と。それで本当にキタら笑えるよねと私は宣いK君も二頭でも当たったらかなり回収できるんでメシでも奢りますよ、と馬場の站で私がKCRを降りて別れたのである。そして……第三レースまではべつに普通だったのだ。第三レース(香港スプリントG2)では二番人気の豪州馬Falvelonがしっかりと勝ち米国馬のMorlucは複勝を勝って二着。第四レースにいつも馬主招待をしてくれるC氏のDashing Winner が苦手な沙田の昼芝にて29倍の十番か十一番人気、C氏の息子たちに尋ねられSize調教師になって初レースのRun And Winが十一倍と複勝にはいいのでは?なんて私も答え、まさかDashing Winnerも外せないからDWとこのR&Wで、などと軽口を叩いていたら、である、最後直線で一番人気Ferruleで決まりかと思えば外枠からとんでもない速度でDWが刺して勝利。あれだけ一番人気、二番人気で待ってここにきて予想外の勝利。陽明山荘I氏は今日にかぎって香港トレイルで練習中、残念。R&W三着に入り予想通りでC氏親子に感心され安堵。ついに口取りの記念撮影に参加を果たす。そして次レースの香港Vase2,400m、Godolphinデーの始まりを予感させるDettori騎乗のEkraarが二番人気で第三コーナーすぎて抜け出しあれよあれよという間に集団と五馬身は離れていたか、もうこれで決まりかと思いきや一番人気のステイゴールド武豊)が、である、これが引退レースでジャパンカップで私も賭けて四着だったSGが、である、とんでもないスパートを見せてEkraarを刺したのだった。武豊が天才なのだ。しかしこの一、二着の激戦で陰に隠れたが実は原原民が三着と善戦。八歳馬でG1でこれはすごいことなのである。ステイゴールドのファンが数多く感涙。そりゃそうだろう香港が引退でそれを応援しに来てこの勇姿。ついにG1馬となっての引退である、お見事。第六レースは金龍華に武豊が騎乗したが埋没。第七レースが香港マイルG1にて一番人気はやはり日本馬のゼンノエルシド、ひょっとしたらまた日本馬か、と思いつつ今度こそとDettoriの China Visitが四番人気で10倍前後と複勝にいい具合。これはまず間違いないと安心してみていたら大外から香港期待のElectoronic Unicorn(Fradd)も来て予想通り。すると五番人気くらいだったか二十一倍もついていたエイシンプレストン福永祐一)が、である、集団から抜け出したと思えばあれよあれよという間に三馬身も後続離して一着……。また日本馬がきてしかも本命じゃないエイシンプレストン福永祐一』である。福永君、インタビューで英語が苦手なのはいいが画面に映っているのだから帽子とって髪の毛の乱ればかり気にするな(笑)、あれを見ただけでこれは「まぐれ」と誰もが思うではないか。Electronic UnicornとChina Visitが入り三重彩は960倍だかの高配当。いくら人気薄とはいえ日本馬であるから、日本からの観客の多くが馬券購入しており(それでなけりゃ40倍くらいになっているはず)押さえにGodolphinの新鋭と香港の最優秀馬じゃ960倍だって「日本人には」とれなくない15万円馬券なのだった。どうにかまた反日のような私はアラブの味方か(笑)China Visitの複勝。実はこの日はこのChina Visitでただこれは一着にはならぬと思い次レース(第八レース)香港カップ2,000m(G1)は一番人気でやはりDettoriのTobouggと決めて、これの複勝とChina Visitの複勝を掛けて大きく賭けていたので、Tobouggは一番人気の2.5倍、複勝ではもう頂き、と安心していたのである。実際にそうなった。ただTobouggが二着なのである。Dettoriは武豊に刺されたのが致命傷になったのか福永君に続き、このレース、アグネスデジタル騎乗の四位洋文君にまでまさかの連敗で三レースとも二着に甘んじる結果に。まさかの展開で香港カップまで日本馬、日本馬が調子いいとは予想通りだがまさか独占するとは。君が代、否、国歌と云うのだろうか、三度も沙田で聞くことになるとは……。唖然とした口が塞がらぬまま。日本馬はそこまで強くなっていたのか。これが80年代のバブルの時代ならまだしも絶対的危機のこの時代というのはいったいどういうことなのか、わからず。エミレーツ航空のワールドチャンピョンシップもこれにて閉幕。結果的に十二レースでアイリッシュチャンピョンシップとブリーダーズカップを制したFantastic Lightが断トツ一位、騎手はDettori、これにガリレオ、サキ、シルバノと世界の名馬が続き十二頭中に日本馬はジャパンカップジャングルポケットアグネスデジタルはいずれも単戦。次はクロフネが出てきて巡業すればひょっとして……?。結果的に日本馬に一度も賭けず、それでもGodolphinのおかげなのだが9レース中7レースにて地味に複勝だのQPだので取り黒字となる。