富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

十二月一日(土)曇。昨晩の皇太子妃殿下ご出産目近ご入院報道を思えば気になることはその報道沸騰ぶりにて皇太子殿下がご誕生あそばされた1960年に当時のテレビ報道には今日の如き速報性を期待するのは無理にしても同じような熱狂ぶりがあったものか。なにか事実以上に盛り上げ国民もまたそれに応じる不可解な世相を感じ入りぬ。沖繩「北方担当相」の尾身幸次が「日本は単一民族である。日本人といえばヤマト民族である。人種と国が大体において多少の例外もありますけれど合っているという意味において日本の実情というものが実は世界の基準から見れば全くその特殊な国である。」と宣いそれを撤回し「アイヌ民族の誇りを傷つける意図は全くなかったが「単一民族」という不適切な言葉を使ったことを反省しお詫びします」と深謝。単一民族発言は中曽根大勲位筆頭に自民党には珍しくもない常識の範疇だが「日本の実情というものが実は世界の基準から見れば全くその特殊な国」と、日本は特殊でヘンであることはまさに正論。こんな奴が大臣しているだけでも特殊、何も間違っておるまいに。朝オッズを朝刊で確かめ慌てて馬券用意、マカオフェリーの波止場向い西港城隣りの場外に馬券購入に赴けば機械に馬券弾かれ続けメインレースでの一番人気潮州勇士の退出を知りフェリー出航20分前に馬券書き直し投票。Z嬢は秋田系カナダ人T君と先に待ちあわせ慌てフェリー乗船。昼前にマカオ到着し高速艇にてわずか一時間なれど澳門は晴天にて毎度のことながら波止場向いのグランプリ施設内にある伊太利料理Pizzeria Toscana。Vino VerdeはAveleda、白はQuinta de Camarate'98。ハイアットリージェンシー投宿。マカオを初めて訪れたT君は市内観光、余はZ嬢とプールサイド、好天にて泳ぐも可、藤田弘夫『都市の論理』(中公新書)読む。この『都市の論理』はふと25年ぶりに羽仁五郎『都市の論理』(勁草書房)を読みたくなりインターネットで検索して見つけた同名の書にて都市が自然発生的に生まれたものにあらず権力の産物であることを判りやすく述べる。都市型リゾートではベストであろうスパ。部屋に戻りNHKの衛星放送にて皇太子妃が内親王を出産と知る。女子にて皇室の女子誕生は清子内親王から9人目にて単純計算しても9人連続で女子誕生の確率は512分の1か。いずれにせよお世継ぎを産まねばならぬ皇太子並びに皇太子妃ご夫妻のご辛労を察す。夕方ホテルより澳門運動場まで散歩し明日のハーフマラソンの出場登録済ます。夜はZ嬢と街に出てMargaret's Cafe e Nataにて香港への持ち帰り用にエッグタルト購いヨーグルト飲む。ふと競馬の結果気になり携帯にてマカオにては無理は承知でジョッキークラブにアクセスすればちゃんと作動し、あれだけ香港でのマカオ競馬にクレームせし香港JCもちゃっかりマカオにて携帯でも馬券購入可かと知る。結果は複勝ながら6レース当てしかも6.4倍と複勝にしては高配当もあり、ほぼ何もせず濡れ手に粟で儲けた気分。旧市街まで歩き福隆新街は祥記にて雲呑麺と蝦子撈麺。蔡瀾、唯靈、劉健威といった食通が絶賛せし手製の麺は確かに硬くも柔らかくもなく而も麺に上湯がよく馴染み秀逸。これだけの店でありながら麺を茹でる亭主が気取りも気張りもなく手つきは慣れぬようにすら見え可笑しき光景。清平街の杏香園にて椰汁西米紅豆粒(ココナツミルクとタピオカ入りお汁粉、か日本語は)、Z嬢は自家製アイスクリーム入りお汁粉。この店も食材の味を活かした微妙な甘さでお見事。ホテルに戻り再度スパ。