富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月七日(火)雨。まるで香港から雨を持ち込みたる如く空梅雨に炎天下が昨日より極端に涼しくなりたり。両親を連れ温泉にて避暑、途中父方祖父母の墓参、祖父の墓なるもの家名も戒名もなく祖父・俳号竹王の「うろこぐも子孫は近し祖は遠く」なる句のみ刻む墓石は我が人生が目標か。父の実家近くに住みし大叔父を乗せ一路福島は高湯温泉の玉子湯。途中気温は18度と仙台は七夕が日なれど十月初旬の気温とラジオ語る。大叔父常磐磐越自動車道と高速にて酒入手できずガス欠となり磐越吾妻麓にてゆず沢の茶屋なる田舎懐石にて補給、その奥石原高原なる山合にひっそりと蕎麦の里なる蕎麦屋、福島の山麓にて更科的、なかなかな皿蕎麦と鴨南蛮、酒は八海山。玉の湯に投宿。福島の金水なる酒を飲みつつ硫黄泉の露天風呂、霧の如き小雨を浴びつつ。昭和26年に啓明社なる鎌倉の書肆から出版されし中村吉右衛門自傳読む。延々大叔父、父母と酒を飲み交わす。それにしても大叔父の話を聞いて面白いし不思議は山口昌男的な昔の親戚複雑関係、エンドレスにリゾームな関係。