富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

八月四日(土)朝より歯科治療。香港の牙科医師に右奥の歯内部での侵食虫歯を指摘され治療費はHK$10,000といわれたもの、実家近くの歯医者は表面上虫歯は見当たらないがとレントゲンをとればかなり酷い状態にて、それを発見せし香港の歯医者を誉める。香港にては虫歯=市場はすでに明らかであり真の投資家=歯医者はまだ開拓されたない潜在的市場=将来的齲歯を見つけ投資=治療することが極意か。日本では珍しい二時間の治療で4,090円と、やはり香港よりビジネスクラスで日本に来てもまだ安く歯科治療可。それにしても患者との一切のウイルス感染を防ぐため徹底的に防備すし近代科学の粋を集めたような香港の歯科医に対して、口腔に直に指が入ってくる日本の歯科治療は温もり重視か、深センのほうが衛生には徹底しているかもと思う。昼、蕎麦屋みかわ、奥久慈の蕎麦粉だけでつなぎなしの蕎麦、冷酒は長野の辰の吟。自宅にて雑用。旧宅の倉庫にて若い頃の書籍の整理に挑むがとても半日で片づけられる量ではなく断念。吉右衛門自伝、六代目の自伝など読みたく抜き出す。七夕祭。もともと宗教性もなく昭和三十年代に商工会議所が七夕を大きな祭りにしたものだが、それでもかつてはかなり盛り上がっていたものが人出など寂しきもの、大型店が次々と閉店した商店街に七夕の飾りすら乏しく歩行者天国に各商店街の山車だけが迷い子のように点在する様。夜、中学の時の恩師宅。山極圭司『青春三十年1920−1950旧制水戸高等学校物語』(朝日新聞)読む。30年の歴史のうち実際には20年弱の国家主義の中での純粋培養的プロシア自治と自由、ここに学んだ面子をみると舟橋聖一、江戸英雄、赤城宗徳宇都宮徳馬後藤田正晴と戦後の日本にて保守ながら似非の革新より自由主義の本髄的面々がいるのも事実。