富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

七月二十四日(火)台風「兎玉」香港に接近し夕方三号警報発令、ジムに行く道すがら突然大雨落ちるが直回復し夜半まで空は晴れ白雲流れる。深夜11時このまま台風接近せし場合は二時間以内に8号警報発令と天文台。保安局長の葉、法輪功取締りのため反カルト法制定に躍起、数日前葉の発言日本の団体規制法挙げ反カルト法と述べし事に総領事館は文化部長名にて本日South China Morning Post紙に投稿にて日本の団体規制法は葉の云う反カルト法に非ず無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法であり治安もさることながら日本国憲法の定める人権により慎重に行使されるものにて安易にカルト団体を規制せぬと述べる。投稿内容は同紙にて記事にもあり。この言及のみに関せば葉及び行政長官・董の北京にも勝る人治による人権蹂躙に対し民主国家日本が正々堂々と葉の巧言を正したものと聞こえたり。夜のテレビニュースにての報道もその通り。但しこの法は立法化にあたりオウム新法なりオウム規制法と云われた点で葉の理解に確かな間違いがあったともいえず、日本国憲法の定める人権に則るとしつつ不特定に組織に対して未遂ですら対象として任意の団体を取り締まれる点は実に恣意的な法にて破防法以上に危険なる法なり。総領事館より新聞紙上にて公開書面での香港政府への抗議は珍しき。それにしてもこの公開書面は葉に「反カルト法などとヒステリックに声を荒げず、いざ事起きれば世論は安寧秩序求めるものにて、懸案の法制化は易しく、それに応じて恣意的に反社会悪なるものの退治を」と知恵をつけるようなもの。香港政府にとってはその誤謬の指摘かなり面子を失うものにて、総領事館がそれを承知でなさるとはお国の事情慮(おもんぱか)るる。お国といえば朝日一面に参議院選「与党、過半数確保の勢い」とありその下に「日経平均株価バブル後最安値」なる見出し。バブル崩壊より10年も暗中模索にて未だ株が最安値に達し未だ与党が過半数安定の支持を得る痴呆はこの世にこのお国一国のみと思はむ。不景気が続くほど政局安定では株価が10,000円を下回れば大同団結にて経済回復のため大政翼賛か。見事。