富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Deep Purple

三月二十日(火)Deep Purpleである。中学一年の折、周囲が突然ロックに覚醒しがロックに疎き私に吹奏学部で一緒でもあった親友のT君(彼は高校を卒業してボストンでジャズベーシストになったがどうしたものか)が紹介してくれたのがDeep Purpleのロイヤル・フィルハーモニックとの共演作で、そのロックとクラシックとの共演というだけでも衝撃的だったものが、曲がまたよく、しかもその曲を作曲したのがその「ロックバンドのキーボード奏者」であると知り更に衝撃を受け、Black Nightのシングル盤まで買ったが、Deep Purple(第二期)はすでに解散しており(解散の年に小学校三年だった私が聴いていたのはかぐや姫神田川関根恵子の映画が見たかった記憶)、ただ私はすぐにツェッペリンピンクフロイドに傾倒し『面白半分』でタモリの全日本冷し中華同盟だかの連載を読む世界に陥り、中学三年ではエマーソン・レイク&パーマーを聴きながら『ビックリハウス』のジャパベン合衆国に投稿を続けていたので、パープルというのは疎かったのだが、そのロイヤル・フィルとのアルバムは今もって愛聴盤、昨年ふとミュージシャンのO君が「掃除や家事にパープルのベスト盤」と勧められ、最近またこのハードロックを聴いていたのだが、前置きが長いが今日はそのパープルの香港公演。オジサンたちはカッコよかった。何が若者のロックだ、という感じ。まさかジョン=ロードのフェンダーローズの響きを生で、まさか香港で聴けるとは……。巧い、実に巧い、リッチー・ブラックモアの不在のパープルは想像もつかなかったがスティーヴ・モーズが入ったことでまさに技量系バンドとしてイケてる。イアン=ギランは生理的に苦手だけど、ジョン=ロードの古くて白色に塗ったところがカッコいいフェンダーローズのスピーカーのかげでジョニ黒をハイネケンで流し込みながら呼吸を乱してもシャウトし続けるオジサンは好い。でもやっぱりこのバンドはジョン=ロードが音楽監督であって、だからここまで確立されたのだとつくづく思った次第。