富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

2月25日(日)雨。また寒さ少しぶり返す中、胃痛堪え空港にてのAdidas King of the Road 10kmに参加、スタートの30秒の「輻輳」含んでも51秒20と、あと少しの努力で50秒を切れば自分としては満足の5分/kmとなり時速12kmというわけだが、減量なのだ、大切なのは。路線バスを乗り継げばいい空港往復をMTRの機場快線にて往復HK$90、レース終わり参加賞の列に並ぶと雨、本降り、マルケス百年の孤独』読みながら、コンテナターミナルもどんよりと、何カ月ぶりの本当の雨か、もうすぐ雨期。昼から烏賊墨のパスタでイタリア白ワイン、微睡。夕方、Z嬢と小雨の中、動植物園経由して香港公園の視覚芸術中心にて日本人形展覧、こう名乗うての展覧ゆえに季節柄、冷泉家雛人形であるとか、盛岡は橋本美術館のような民俗のものであるとかを期待せしが、殆どが吉徳大光の作品にて、宮城の懐かしき新山民男氏のコケシなどもあるが、多少の期待外れ感、一目見てうーんと唸るような人形はなし、季節柄、吉徳なら豪華十二段重ねの雛人形でも持ち込めば香港人にはウケるだろうに。芸術中心にて成瀬巳喜男浮雲』、何度みても高峰秀子の演技素人っぽくセリフは聞きとれず英語の字幕を追う程、但し高峰秀子は元祖アイドルにしてアイドルが歌(湖畔の宿)も芝居も下手なのは当然、見事アイドル。不良少女役では岡田茉莉子の芝居の美味さ、絶妙。戦後初期の映画として戦後の主人公がけし善男善女でないことを予見している点で歴史に残る作品だが、林芙美子の原作は知らぬが、この筋、黙阿弥的といえば黙阿弥。筋のきちんとした展開の成瀬作品はやはり見て安心。作品中で森雅之があんまり美味そうに酒ばかり飲むので、ついつられ、灣仔の卯佐木。甘い菊正宗というのが、森雅之のカストリに比べれば菊正宗も上等だが、吟醸の冷酒ではなく、映画のあとはこれもオツ。えほ鯛の一夜干、美味、骨まで食らう。