富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

Nike 10K

12月31日(日)快晴。Nike10kmのレースに参加、昨年まで二度新空港にて開催にてハレの行事であったが何故か今年は将軍澳の工業団地、かつて国民党の残兵が籠って部落を造った陸の孤島の調景嶺は朝日の特派員だったTさん(現アジア総局長)が行きにくいとコボしていたが今になってみれば将軍澳の団地ももう調景嶺の目と鼻の先、この工業団地は将軍澳より更に岬の果て、それが今では蘋果日報、日立エレベータ、カルビーなど錚々たる企業が並び、ここに行く参加者バスに乗るのに集合場所は天后だったが朝タクシーに搭り北角と言って行ってしまひ恥ずかしくて一旦北角にてタクシーをおりて乗りかえて天后へ。折から風強くいつまでもコンテナの傍らで風を避けて漸く上りし太陽で暖をとっていたらスタートに並ぶのに後れ、スタートは定刻より90秒もかかりこれだけで定刻から30秒以内にスタートした連中はもう抜けないのだが、スタートから5分で群衆によりコースがショートカットされ私ら後発はきちんと正規ルートでこれだけで3分の差、もうどうしようもないと走るが、日曜日とはいえ埋め立て地に向かうゴミ収集車やトラックがルート傍らを走り雨も数週間ない天気で乾燥、工業団地は殺伐と粉塵が舞い走るには悲しいが香港の現実ここに有り、か、後半ピッチを上げるものの既に遅く52分47秒にてゴール。ふと夕方に尖沙咀はカンガルーパブ、百年は行っていなかった……前回はもう9年前か、父親が当時は科学技術大の工学部長で現香港城市大学学長のC氏の御曹司M君と一緒のはず……が、ここは今回も店に入ってFosterのdraftを注文したらイキナリ"Where you from?"と尋ねられるくらいの観光バーなのだが、ここの窓越しに見下ろす海防道と九龍公園のゲートの坂道、木々の緑が鮮やかで実は絶好の午後の憩い、Fosterを飲んで橋本『源氏』東屋の巻を読んでいたらDead or AliveがBGMで流れて、九龍公園の緑と源氏とDead or Aliveが似合わないのだが、『源氏』とて「出版」当時には京の都では『噂の真相』か鹿砦社の如き暴露本でかなり過激だった筈、Dead or Aliveも強ちミスフィットではない、と。中環にて徳輔道中にJoyce&Dianaなるかなり名前は怪しい飲食店あり此処はフィリピン系の料理なのだが、いぜんから気になっていたものの入る機会もなく、今日ふと店先にて親父が牛肉の串ソテーを焼いており、これがたんに焼いているんなくてピーナツ油と思われる油がプレートにひいてあり、火がその油を焚いて油がソテーを焙るという、かなり凝った仕組みでソテーを焼いていて、そそられ1本HK$10、Fosterでちょっといい気分でもあり、これを食すとピーナツ油も案の定香ばしいがソースが醤油に檸檬とライム、それが甘めにココナツオイルか?で秀逸、下品にもソテーの立ち食い、最高に上手い。Healing Plantsにて百香木(白檀)やrosewoodのアロマ液や線香など購う。Dry Matini飲みながら新年のメールに呻吟。大晦日にとHaut-MedocはChateau Magnol 1994。