富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

12月4日(月)紀伊国屋より『三島由紀夫十代書簡集』(新潮社)、岩波文庫源氏物語』全六冊、平野鏗二郎『東京風俗志』(ちくま学芸)と網野喜彦『中世再考』(講談社学術)届く。『十代書簡集』、文学に耽る公威君は『花ざかりの森』を上梓、時局に対して合州国との戦争は時期も遅く独乙ももうぢきへたばると宣い「教練がわたしたちには痛い」と呟きナチズムに傾倒する父親を嫌がり、書簡の相手である東文彦に対して「徴兵検査、いらつしやる必要はないこと、先づお慶び申し上げます」と。公威君の詩はいまいち好きになれないが「ナプキンの角するどしや冬薔薇(そうび)」という山口青邨に褒められたという俳句、本人は芥川ばりと嫌がるが三島らしい世界、あの美学をじつは本人こそが嫌っていたのでは、と。型の芸術、様式美、それにしても天才。旧聞に属すが合州国大統領選挙、いっそのこと直接選挙にしてしまえば州毎に選挙人を選ぶなんて面倒もないし、素直に得票数の多い候補が当選で明確という意見もあるが、やはり「合州国」であって州がunitedしてるという意味は州の決定というのが大きく、合州国の根幹にかかわる問題としてやはり州毎の決定ということは外せないのか。