五月廿八日(日)昨晩から歇まぬ雨にぼんやりと軒から雨空を眺めてをれば「あら、やだ、停電だわ、まつ度く」と女の聲。卓袱臺に置かれたる出がらしの茶のはいつた湯呑みを眺めてゐれば「此の雨ぢや今日はお茶挽きかしら」と女の爲息に吾人も客の積りでゐた…
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