富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

水郡線地酒列車

癸卯年十月廿七日。気温摂氏3.1/17.8度。晴。水戸を11:15に発つ水郡線常陸大子行きで大子へ。本当は一本早い列車に乗り大子で温泉(道の駅奥久慈だいご)にさっと一浴のつもりが09:20発を逃した(それくらい大子行きは少ないのだ)。水郡線の2両編成の列車は水戸を発つときは立ち席になつてゐたが上菅谷で太田行きに連絡すると席も余裕ができて、乗客の多くが袋田駅袋田の滝)で下車。


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大子に昼過ぎに着き駅前の玉屋旅館で狭い座敷に通され奥久慈しゃも弁当。燗でいたゞいたお酒は地元の家久長(かくちょう)かしら。軍鶏の親子丼のヌキも良かつたかも。古い町並みを歩き(当然のやうに店舗のかなりは閉業してゐるが)久慈川を渡り道の駅(奥久慈だいご)へ。今日のJR東日本(水戸支社)企画「水郡線地酒列車第二弾」往路(第1章)参加者、協賛の蔵元の方々も道の駅にゐらした。この往路は水戸駅を発ち水郡線上菅谷駅から常陸太田駅に向かひ折返しで上菅谷駅から常陸大子駅に向かふといふ乗り鉄にとつては通常ない運行経路で、それだけでも趣向だが2時間の乗車=飲酒で大子に到着してバス送迎つきで昼食(やみぞホテル)も含まれ道の駅まで送られて解散とはかなりヘヴィなもの。そこで同企画復路(第2章)のみと参加とした次第。それでも40数名の参加者のうち8割が往復参加の強者だつたのださう。午後に復路に集合したときにはもうかなりご機嫌な御仁少なからず。

 矢祭山・矢澤酒造店「南郷応援隊」のお写真拝借

専用列車(キハE130簡易テーブル付き)で吉久保酒造(水戸)一品、剛烈酒造(常陸太田)剛烈、岡部合名会社(常陸太田)松盛、根本酒造(常陸大宮)久慈の川、家久長本店(大子)家久長と(こちらは水郡線沿線ではないが)浦里酒造店(筑波)霧筑波を飲ませていたゞく。


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かういふ場で蔵元の方と懇談とか苦手なので静かに独酌。小型のプラカップに25ml程注がれた清酒を(捨てずにおいたので)12杯なので300mlだから2合も飲んでゐないか。個人的には剛烈が好みなのだが浦里もさすがに美味い。残念なのは速度飛ばしすぎ。沿線の久慈川渓流の流れを車窓から楽しむ暇もなく手許のGPSアプリで測つたら時速74kmも出てゐてE130でエンジン音がうるさすぎる。せめて大子から山方宿間だけでも久慈川沿線だけでも速度落としてくれゝば。ダイヤ的にはこの特別列車を多少速度落としても通常運行列車に何ら影響ない気がするのだが。隣席のかなり酒列車常連の御仁曰く気動車だつたら「やっぱりキハ40系、48系とかならもう少し落ち着いて飲めるのだけれど」と。この方、首都圏から往復参加で先月末は大船渡線を三鉄車両で往復(一関~気仙沼)する乾杯列車にも乗つてゐて、三陸鉄道とのJR東日本のコラボだけでも面白いが酒は地酒の他に地ビールやワインも供されたさう。前回、常磐線での地酒列車のE501系はイベント専用列車として“SAKIGAKE”なる名称もついて運用されてゐる由。


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今朝久しぶりにライカを取出して(とき/\シャッターだけは素振りしてゐたが)ファインダーを覗いてみたらM6は水銀電池装着しても露出計のインジケーターが点灯せず。さういふ電気系統の故障がないところがやはりM3だがM3はフィルム装着しようと底蓋を開けたら劣化した貼皮がぱらりと剥がれた。M6は修理に出さないといけないがM3は慎重に貼皮を集めパズルのやうに並べ直して接着剤で貼り直し。我ながら上手くできて安堵。


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今日の日本酒地酒列車で供された酒肴セット昼食後にとても食べられずお持ち帰りで夕食に摘まむ。参加者には往路での飲食、昼食、道の駅でのスイーツで復路の列車でもこれを食べてゐる方がいてあばからべっそん(見るからに成人病で医者に叱られさうな食生活の御仁)。それにしてもこのプラ容器は「いかにも日本」。なんでプラ容器でこゝまで陶器の絵柄の印刷が必要なのかしら。