富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

陰暦五月十七日

気温摂氏14.4/19.7度。中野の股旅堂より注文の古書数冊届く。『基地日本 : うしなわれいく祖国のすがた』昭和28年、和光社刊。転向する前の清水幾太郎が編著の一人。股旅堂の目録(第26号)も当然、風俗物や地下本など多いのだが地方史誌もいくつか出てゐて、そこに水府のものが『水戸市案内』と『水戸大観』2冊あり。前者は昭和3年に水戸市役所と水戸商工会議所による小冊子。後者は昭和28年に茨城民報社から刊行。データ集なのだが味があり読んでゐてかなり面白い。

水戸市案内』(水戸市協賛会編)昭和3年

水戸は水府と呼ばれるが千波湖がもし元々の大きさであれば本当に見事な景観であつただらう。勿論、治水対策も重要で、それだからこそ下市の水害リスク削減のため千波湖も半分が埋めたらられたのだが。この地図でも千波湖の東半分は埋め立てられ市街化に向けられてゐる。


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香港観光の象徴のやうなジャンボ(珍寶)水上レストランは老朽化と疫禍での営業停止等いくつかの困難重なり無期限の停業となつてゐたが水上施設の一部(附属の厨房艇)が横転。もはや改修で営業再開の見込みもなく解体のため香港仔(アバディーン)湾から艀舟に曳かれ姿を消す。珍寶の隣にある太白海鮮舫を史跡価値もあり残さうといふ意見もあるやうだが改修費用の算段も見込み立たず。アタシも30年以上香港に暮らしてジャンボで食事したのは何うしても行きたいといふ人に誘はれ2度だけ。それでも香港仔から艀船に乗り水上生活者のボートの間を抜けて進みジャンボの巨大な飲食舫に辿りつくのは何ともいへぬ「香港趣味」ありだつた。

尊子の漫画(明報)は南洋まで曳かれたジャンボは南洋の中国海軍艦隊に出会ひ軍艦から軽食の注文をされてゐるの図。香港の象徴であるジャンボと大国中国の艦隊=覇権の暗喩。
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香港で中共🇨🇳第14回全人代の香港代表「選挙」だといふが民草は当然のことながら蚊帳の外で香港特区の選挙委員会から選ばれた選挙会議の委員たる中国公民による提灯選挙……それにしても、である。

岸田ハレンチ政権「裏の顔」を撃つ 公明エリート候補は自身の性交動画を違法公開 | 週刊文春

民主主義国家で民主的な選挙をしてゐても結果これなのだから中共一党独裁専制を嗤ふことはできないか。

前瞻港人治港路向 關鍵重建互信 張炳良:失京信任 港須自證能力 - 明報

やはり2010年の民主派(主に公民党)による「五区総辞」がおかしな動きだつたのだらう。香港での普通選挙実施を求めるにあたり住民投票がないため立法会で五区全ての選挙区で民主派議員が其々一名辞職することで補欠選挙実施で、その選挙結果を実質的な住民投票に見立てるといふもの。結果は民意であるが「民意で中共は動かすことはできない」といふ絶対的な規則があるわけで対抗すれば対抗するほど中共を硬化させるだけだつたのかもしれない。