富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

スガといふ廃墟


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中共の香港統治非難する米国は香港の投資信託にまで間接的に干渉を批判する大公報。蘋果日報は国安法で逮捕された民主派議員ら55名の携帯電話がそのまま中共公安に送られたと報じる。一国両制でも国家政府転覆といつた容疑、それがたゞ単に「打倒中共」と叫んだだけでも一党独裁国家だから国家転覆になつてしまふのだが、さうした重大な容疑は香港ではなく中央政府の管轄で、といふこと。携帯のSMSなども徹底解明され反中共の言動でさらに逮捕を続けるのか少なくとも非国民として黒名単に載るのだらう。 

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水戸市で開催予定だつたバスケットBリーグオールスターゲームが感染防止理由で中止に。市内のバスケコートで小学生が練習してゐたが、まぁ機敏な動きに恐れ入り谷の鬼子母神。帰宅してスガの緊急事態宣言第2弾での記者会見を拝聴。前回の記者会見がボロボロで2度目だから少しは上手になつてゐるかと思つたがスガには無理。官房長官の時の横柄さも、ありゃ自信があつたからできたもので神経衰弱の今は救ひやうもなくとにかく滑舌が悪くキーワードも不明瞭。記者からの質問で産経新聞の記者が感染拡大が今日のテーマなのに北朝鮮問題持ち出したのはさスガ。記者会見の最後の最後でビデオニュースドットコムで神保先生。

国民にいろいろ協力を求めるというお話をずっとされてきたが知りたいのは、その間一体政府は何をやっていたのか。医療が逼迫している状況で、総理の説明が「日本は医療体制の仕組みが違う」というお答えだけで果たしていいのか?

当然スガは何も答へられず。晋三もあれを見てゐたら「こう答へるべき」とダメ出しできるだらう。スガ会見はこのあとの予定あるからと打ち切られたが前回はその後の予定入つてをらず呆れられたので首相動静をアトで見たら今日はこのあと官邸で官房副長官感染症対策の担当者との打合せ。外食すると叱られるので官邸の食堂の夕飯か。

「ここで私が考え込んだり、たじろいだり心の中に迷いがあったら全てに影響してくる。あくまで進めていかないとならん。淡々と予定通り、進めていくという以外にお答えする方法はない」とあんまりな支離滅裂だが何も語れないスガよりマシか。それにしても先の大戦での失敗から何も学べてゐない思考停止。「とにかくやるのだ」だけ。まぁこの人にとつて日本は神の国で神風が吹くから。五輪再延期できない理由が「各省庁から出向している人たちの人生がある。お金の問題ではない」って何だ、そりゃ。こんなのでも首相ができるのだから自民党は偉大。

都市という廃墟―二つの戦後と三島由紀夫 は1988年の新刊で読んだのをふと再読。昭和末に都市の暗部をルポしてみせた松山巌。それも芦屋、原宿、つくば研究学園都市や東京ベイエリアそしてディズニーランドといつた一見華やかな地域で悲壮な事件が起きてゐる。当時はバブルで、かうした陰気な筆致がかなり特異だつたが30年後の今これを読むとあまりに日常の風景となつてしまつた。この内容それぞれの悲惨な都市型の社会事象をすべて三島由紀夫の小説に結びつけてゐるのだが、それがアタシの記憶からは抜け落ちてゐた。

本来の保守といふのは過去の良質の部分をきちんと保つてゆく常識的で安定したもので、さういふ意味で半藤先生は理想的な保守主義者。戦後の日本が平和なのだから憲法9条も評価して晋三政治にも不信感をはつきりと表明。教養があつて理性的で……といふブレないものが半藤先生の死でまた一つ消えてしまふか。