香港で昨年11月の区議会選で民主派が圧倒的勝利で疫禍が続き反政府抗議活動が静まつてゐるさなか反政府世論の神経逆撫でするやうに横柄で強行的な弾圧意欲が強まつてゐる。香港市役所で臆病者の代名詞のやうな保安局長の李家超ですら本土派の恐怖主義まで曰ふ始末（大公報）。蘋果日報はそれに立ち向かふ姿勢崩さぬが従前から大手企業の広告が入らぬなか紙媒体の読者離れ、この疫禍もあり経営困難で社主・黎智英ご自身がデジタル版読者登録でサポートを！と訴へるほどの苦境。
日本に戻つてから読んでゐる本はずっと感染系。どれも時節柄のベストセラーでミーハーといへばミーハーだが村上陽一郎先生の『ペスト大流行』村上陽一郎『ペスト大流行: ヨーロッパ中世の崩壊』岩波新書 黄版 225) はさすがに絶版だが疫禍で話題となり近々重版だとか。
不要不急の外出自粛のなか今日は香港の自動車運転免許証から日本のに「切り替へ」必要で茨城県の運転免許試験場へ。警察はこれを「切り替へ」と呼ぶが切り替へとは「今までのものをやめて別のものに替へる」ことなので日本の免許証を入手しても香港のものは手許に残るのだから、これは切り替へではない。正確には二重免許なのだが国籍や旅券と同様、日本は天皇制もさうだが唯一無二が好きで南北朝のやうに何かが二つも存在するのは容認できないのだらう。その手続きは免許証の更新のやうに警察署ではできず水府の郊外にある県の運転免許試験場でとなる。路線バスの運行が乏しい地方でも朝から試験や手続きの始まる運転免許試験場行きは１時間に４、５本も運行されてゐるが自転車で。途中のコメダ珈琲店により生まれて初めて名古屋式のモーニングセット。ゆで卵か小倉餡か悩むが甘党ゆゑ後者。免許試験場では運転免許証更新は疫禍時節柄手続き延長猶予されてゐるが受験者は百人はゐないがそれでもかなりの人出で数列に並び密集状況。海外免許からの「切り替へ」は受験者が階上に向かつた後、閑散とした受付フロアで続くので他の御人とは比較的距離あり。書類受け取るカウンターで「マニュアル車かAT車か」と尋ねられマニュアル車なんて30年以上運転してゐないが、それを選ぶ。渡された書類に技能検定の書類もあり。案内には技能試験のことは書かれてゐなかつたが「ある」といはれマニュアル車でエンストなどしたら何うしませうと悩むところ。次のカウンターで申請書類記入してや戸籍入りの住民票、旅券、香港の免許証とJAFによる和訳、平成11年に失効した日本の免許証など提出すると日本の免許証があるので記述、技能試験とも免除だといはれる。最初のカウンターでも日本の免許見せたのだが。今日の日本の免許証申請は20人ほど。巴西人やネパールかミャンマーかの東南→南アジア出身者目立つ。日本人はアタシ一人なので逆に目立つ。筆記試験からの対象者大部分で試験免除はアタシと巴西人一人のみ。アタシの場合は日本の免許あるための免除だが1949年の道路交通に関する日内瓦条約加盟国は試験免除で「書き替へ」可。当時、中華民国がこれを批准し中共は外なので未だに「台湾」が残る。試験の変はりに担当官からの「聞き取り」あり。香港の運転免許証は2007年発行の20年有効！のものだが発効日は記載あつても免許取得年月日の記載がない。確かその15年前だつた気がするが更新の時のことを聞かれても試験もない、視聴検査もないどころか運輸署に出頭の必要もなく書類と費用の小切手郵送したのみ。それを説明すると担当官も「はぁ……」なのは自分がこれほど慎重に行ふ手続きが香港ではそんな簡単では……で仕事上でのモチベーションも下がるだらう。香港の免許証も日本のものからの「切り替へ」であつたことで聞き取りも終了。視力検査機器は顔を機器に当て額と顎が機器に触るものだがアルコール消毒もない。トラック運転の限定解除だとかフィリピン人妻の免許手続きに同行とかのオッチャンたちがトイレで手も洗わないのだから免許試験場は感染リスクは小さくないだろ。15年くらゐ前の話だが家人の免許証が短期間だが失効してしまひ、この試験場で手続きとなつたのだが視力検査はまだ３m先の視力表を見て……で家人は職員に「はい、それ（遮眼子）で右目隠してくれっけ？」といはれたのだが警察上がりの老職員の茨城弁の強烈なイントネーションと早口で何を指示されたのか聞き取れず２度聞き返したら「はい、聴力検査に行ってください」といはれてしまつた。視力検査は簡易で聴力検査と身体能力検査も兼ねてゐるらしい。受付から２時間ほどで手続き終了。運転免許試験場といふ商売、朝の受付が最も忙しく試験対応で午後はほとんど仕事もなくなり暇さうで、まるで魚河岸のやう。交通安全協会は任意団体ながら警察退職のOB多く加入はかなり必須のやうに扱はれてゐたが今はコンプライアンス上の配慮もあるのか、これの加入を一切勧められもせず……これは外国人だからかしら。手続きが終はつたら11：20で、これなら近くにある中華蕎麦みうらの開店まで10分。なんとタイミングがいゝことか！と〈みうら〉に向かつたが時節柄の臨休が続いてゐる。元吉田から台町を経て下市の本町に走り〈むじゃき〉で拉麺。こゝも行列できる人気店だが疫禍、カウンターの席数減らしても１人待ちで入店可。何ともコシのある縮れ麺もスープも格別。
伊勢屋に寄り草餅をあがなふ。ここの添加物一切なしのヨモギだけのこれがなんて上手いこと。 30年前に香港で購入したタグホイヤーの腕時計、電池交換してみたら入れっぱなしの電池が液漏れで新しい電池にしても動かず精密クリーニングか修理必要。タグホイヤーの代理店にネットで問い合はせると修理以来の時計送付キットが送られてくる。これがまぁため息が出るほどお見事なキットで絶対に輸送中の事故がないやうに。これほどの送付キット送られた上にこちらからの送料は着払ひ。何とも厚遇。送り先はLVHMであつた。
▼休業自粛要請なのに従はないパチンコ店とか店名公表はおかしくね？ そも／＼自粛は「自分で判断して行いを慎む」で要請は「他の人がお願いする」。自分で判断して行いを慎むことを他人がお願いする大いなる矛盾。強制するなら強制すりゃいい。要請には従はない判断猶予ありのはず。で従はないと制裁とは法治社会ぢゃない。水際対策だ、クラスタ掌握徹底だ、外出・休業自粛要請だ防疫対策は一向に進まず感染経路もわからぬ感染がじみに広がるばかり……新型コロナウイルス感染対策が、韓国や台湾、中国に出来て何故、日本はできないのか？ もはや「日本だけが近代市民革命を経てゐないから」しか答へやうがないのでは？
