富柏村日剩

香港で2000年02月24日から毎日綴り始めた日記ブログ 現在は身在日本

自由之夏……やめてくれよ


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大公報にて銀行家から転身のMTRトップが、この人は嶺南大学の董事長もしてゐるやうだが香港は国民教育や中国史教育疎かににした、教育改革が必要と宣ふ。現状では中共に正義の党史教へられ一党独裁疑はぬ「党民」ならば確かに反送中もMTR施設破壊もないか。

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一昨日の大公報「暴乱百日」特刊に続き蘋果日報が今日「自由之夏」特刊を付録に。こちらも豪華で紙媒体不振のなか今日は蘋果売り切れ。この「夏の思ひ出」って感覚が嫌だ。恋愛ならサザンでいゝが多くのリスク抱へた政治闘争である。それを若者の一夏の思い出にされては困るし後になつて「あの頃は若かつた」と全共闘的な感慨はやめてほしいのだ。

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こゝ数日、腰痛ひどく座つてゐるのと屈む、立つのに難儀。湾仔の行きつけの公立病院で数年に一度の糖尿のリスク診断。コルステロール値が多少高いが一応、合格。今日は結果聞くだけと油断してゐたら足先の感覚診断あり靴と靴下脱いで、横になつて、で靴下履くのに激痛走る。それにしても診察プロセス紹介のシートで「大堂等候見専員姑娘」って今時「看護婦」も「看護師」なのに姑娘とは……姑娘といはれると艶やかな女給が派手な衣装で歌舞音曲、酒肴運んで来さう。

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Morison Hillから克街といふ狭い路地から湾仔道に出ると路地に車両入らぬやうに強固なガードレールあり隙間もないので道路横断もできなかつたが反送中で、この辺りも道路占拠ありガードレールの一つがバリエードに使はれたやう。こゝが横断できるのは実とにありがたい。

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晩に湾仔の光華新聞文化中心。魏德聖監督来港で「從零開始的電影造夢之旅」と題して陳果監督と対談を聞く。この華奢で青白い公務員か事務員が似合ひさうな方の何処に、あの〈セデックバレ〉や〈KANO〉といつた大作を生み出す情熱があるのかと驚く。常に何か新しい構想が生まれ製作資金が要る時に幸ひに前作がヒットして資金が入り、の繰り返しの職人魂に敬服。魏德聖が次なる構想を熱く語る。〈豊盛的城〉と題して台湾の原住民の時代、漢人の移住そしてオランダの来寇といふ三つの時代の台湾三部作。すでに日本統治の時代と現代は撮つてゐるので魏德聖といふ監督によつて台湾の壮大な物語が揃ふ。香港では光復とか時代革命と叫ばれるが考へてみると台湾のやうな、さういふ物語が紡がれてゐないか。香港返還の頃に陳果監督始め、さういふ映画がいくつか作られたが誰もの記憶に残るやうなものはないか。台湾だからできた物語としか言へない。ところで魏德聖監督は、これまでも〈セデックバレ〉や〈KANO〉で見事なセットを作つてきたが今回、嘉義郊外に〈豊盛的城〉の撮影セットであり入場すれば台湾の有史体感できる大規模なアミューズメントパーク建造も紹介。夢は〈自由之夏〉で終はり思ひ出にしてしまつてはいけない。希望は創り出すものなのだと魏德聖から覚ゆf:id:fookpaktsuen:20190926092947j:image